宇治郷総絵図 (江戸中期)
18世紀前半に製作された377㎝×524㎝の大型の絵図。縮尺600分の1で宇治郷を描く。宇治代官が宇治郷支配のために製作したものと考えられ、土地の大きさが細かく描かれている。通り沿いには各家屋の正面外観が描かれ、また平等院や宇治神社などの主要社寺の境内景観が描かれるなど、当時の宇治の雰囲気が良くわかる。宅地部分に職業の書き込みはないが、宇治橋通りの広い宅地は多くが茶師家宅で、通り沿いに塀を建て門を構えていた。また、短冊状の細長い宅地は町屋であろう。通り沿いの宅地背面には茶園が広く展開していたはずであるが、記載はされていない。茶園に混じって水田や畑もみられた。絵図全体の色分けは字分けを示す。現在と比べると当時は細かく字分けされていたことがわかる。宇治市所蔵。宇治市指定文化財。
update date: 2021.05.21
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宇治代官所
幕府直轄領である宇治郷の代官所。近くの民家に門が移築されている。
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山本家住宅
茶農家。現在残る町屋は江戸末から明治の建物。
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上林家住宅
宇治代官を務めた宇治茶師。江戸時代の長屋門が残る。
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橋姫社
宇治橋西詰めに祭られた神社。宇治の名所の一つ。明治3年の洪水で現在の場所に移転。
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宇治橋三の間
宇治橋は宇治橋断碑によれば大化2年(646)の架橋。三の間は豊臣秀吉が茶の湯に使う水をくみ上げた場所。
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通円茶屋
江戸時代から続く茶屋。
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放生院
真言律宗。鎌倉時代創建という。宇治橋を守る寺として通称橋寺。境内に重文の宇治橋断碑がある。
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正覚院
高野山真言宗。江戸時代前期に建立。
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末多武利神社
平安時代の宇治民部卿藤原忠文を祀るという。
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宇治神社
古くは宇治離宮下社といった。本殿は鎌倉時代建立で重文。宇治郷の産土神。
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宇治上神社
古くは宇治離宮上社といった。拝殿は鎌倉時代建立で国宝。本殿は平安時代後期建立で国宝。本殿は最古の神社建築。世界遺産。
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恵心院
真言宗。現在の本堂は延宝4年(1676)の建立。
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琴坂
興聖寺の美しい参道。紅葉と山吹の名所。
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興聖寺
曹洞宗。慶安元年(1648)淀藩主永井尚政によって創建。禅宗伽藍がよく伝わる。
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東禅院
曹洞宗。江戸時代に建てられた興聖寺の塔頭。
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浮島十三重塔
弘安7年(1284)に僧叡尊が建立。国内最大の石造古塔。重文。
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平等院北門跡
平等院の表門であった楼門造りの北門があった場所。江戸時代前期に火事で焼失。
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扇之芝
以仁王と伴に平家追討に立ち上がった源頼政が切腹したと伝えられる場所。
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観音堂
平等院境内に建つ重文の鎌倉建築。本堂跡に再建。釣殿観音として親しまれる。
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平等院鳳凰堂
国宝平等院鳳凰堂平成修理のお知らせ 鳳凰堂拝観停止時期:平成24年9月3日(月)~平成26年3月31日(月)予定となっております。
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最勝院
天台系単立。江戸時代前期に創建。境内に源頼政の墓所がある。
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浄土院
浄土宗。室町時代に創建された寺院。境内の養林庵は重文。
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平等院鐘楼
国宝の平安時代の梵鐘を吊り下げていた鐘楼。鎌倉時代の建築。現在の梵鐘はレプリカ。本物は宝物館に安置。
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県神社
平等院の創建以来、その鎮守社として祭祀されてきたと伝える。
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善法寺
浄土宗。もとは平等院に関係する小堂に始まると思われ、江戸時代初めに小堂を改め寺とした。
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御茶壷蔵
将軍家への献上茶壷を保管した蔵。濠と土塁に囲まれていた。