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東京国際クルーズターミナル
世界最大級の旅客船を迎える首都の新玄関口 近年世界のクルーズ市場は、客船の大型化に伴ってクルーズ人口が急増し、飛躍的な成長を遂げている。これまで東京では、晴海客船ターミナルが客船の受け入れを行ってきたが、レインボーブリッジを通過できない船舶が増えたため、その外洋側に国際客船ターミナルを建設する運びとなった。 建設地としてレインボーブリッジ周辺には適切な敷地がなく、臨海副都心地域の海上にジャケット工法による人工地盤面を新たに構築し、その上に土木~建築一体の構造でターミナルを建設するという、この規模では日本で類を見ない計画となった。 本建築計画は、様々な大きさの客船に対応するため自由度の高い大空間を持ち、そこで祝祭的なイベントの開催も想定している。外観は、波や船の帆をイメージした大屋根が特徴で、反りを描く深い軒、四周をバルコニーで囲う外観は日本建築を思わせる。 屋根の「そり」は、北面の高い天井から屋内に自然光を豊かに取り込み、同時に夏はロビー内の熱を屋根伝いに誘導して排熱、冬は集熱して空調に取り入れる仕組みを有しており、照明エネルギーと空調エネルギーを抑えた、開放的で快適なロビー空間を実現している。 建築主東京都 所在地東京都江東区 撮影黒住直臣 賞第55回 SDA賞 入選 2020年照明普及賞 令和3年度優良消防用設備等消防庁長官表彰 2022年度日本鋼構造協会業績賞
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みらいステップなかの + 中野東中学校
中野の多様性を表現する、知と学びの複合施設 2校の統合中学校、子ども・若者支援センター、図書館、教育センターの複合施設である。中野区らしさは多国籍な住民やカルチャー、大小の看板建築や超高層ビル等、多様性・多文化を併せもった所にあり、「多様性」と「知の集積」を本や本棚をモチーフに表現したデザインを各所に取り入れている。敷地は住宅街や山手通りに隣接し、教育環境、プライバシー、環境負荷(西日)に配慮した階構成、配置・平面計画、開口部とすることで都市型施設を実現した。 建築主中野区 所在地東京都中野区 撮影黒住直臣
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有明パークビル/東京ベイ有明ワシントンホテル
東京臨海副都心、有明南地区の日を追って賑わいをみせてきている本施設は、その中核的施設である国際展示場(東京ビッグサイト)の支援施設として計画され、客室総数830室の「東京ベイ有明ワシントンホテル」をメインに、オフィス・物販・飲食などで構成された大規模複合ビルである。これらの都市機能は街としてはまだ若い有明南地区にあって先達の施設群とともに、街に活気と賑わいをもたらす施設として大きな期待が寄せられる。 計画上のコンセプトは、このビルのもつ機能と可能性を最大限引き出しながら、街づくりの先導役として新鮮な魅力を感じさせることを目標としている。ゆるやかにカーブしたタイル貼りの白い外壁蔓が醸し出すユニークな外観、プロムナード側メインエントランスのアトリウム空間、またレインボーブリッジや都心部のスカイラインを一望できる最上階のホテルレストランをはじめ、道行く人達や来場者が快い驚きと興奮を覚える空間を演出している。 建築主株式会社東京国際貿易センター 所在地東京都江東区 撮影黒住直臣
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たばこと塩の博物館(改修)
既存倉庫をコンバージョンした博物館 “ タバシオ” の愛称で知られる「たばこと塩の博物館」(渋谷)が、施設の老朽化や収集資料の増加により、展示面積を約2倍に拡張して墨田区に移転、リニューアルしたプロジェクトである。新たに博物館となった施設は、たばことその製造機械に関連した倉庫として使用されていたが、コンバージョン(用途変更改修)後に博物館としてオープンした後も引続き施設の半分は企業の倉庫として利用されている。 博物館としてコンバージョンするにあたり、博物館としての回遊性やバリアフリー対策として、エスカレーターやエレベータを新たに設置。また耐震補強に加え、既存のRC外壁のさらに外部側を押出し成型セメント板で覆うことで、博物館に求められる高い防水性や日射負荷による温度変化の低減をはかっている。 この外皮のデザインは、たばこの葉を屋内で吊干し乾燥させていた旧来のたばこ製造の風景を、3種類のパネル面状と5種類の色調を使い分けることで表現し、博物館のアイデンティティーを高めている。 また内部空間については、既存施設の限定された開口部を活かして柔らかい光を取り入れ、改修という制約を感じさせない、展示室と調和の取れた空間をつくっている。 建築主日本たばこ産業株式会社 所在地東京都墨田区 撮影黒住直臣 賞DSA日本空間デザイン賞2015 入選 (プロジェクト関係者より応募)
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日本橋野村ビル
歴史と景観の継承 日本橋野村ビルは、当社創業者の安井武雄が設計し、1930年の竣工から今も東京日本橋のアイストップとして人々に愛されている。 東京日本橋、そして東海道の起点となったこの場所に、野村銀行の東京進出の拠点として堂々と打ち出すに足る迫力あるデザインとすることが建築当時求められた。安井武雄は苦心を重ね、さまざまな建築思想遍歴の末、辿り着いた一つのピークといえる。 1階の石貼り、濃い色調に包まれた中間部のタイル、明るい頂部が調和する三層構成とした。特に上層階の装飾性は、モダニズムへ移行する前段階での状況を表現するモダン・ムーブメント(近代建築運動)としてDOCOMOMO Japanに選定されている。 所在地東京都中央区 撮影淺川敏
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東京ワールドゲート 神谷町トラストタワー/東京エディション虎ノ門
戦略的再開発でまちに勢い 世界と日本を結ぶ国際交流拠点 重点的に再開発が進む虎ノ門・神谷町エリアで、国際ビジネス拠点として世界と日本を繋ぐゲート機能を担う大規模複合開発プロジェクト。国家戦略特区「国家戦略都市計画建築物等整備事業」として内閣総理大臣認定の初案件である。 人・ワーカーが発揮するクリエイティビティ、それを最大限に引き出すよう新たなワークプレイスの価値を提供し、イノベーションを生み出す。 敷地内では樹齢100年を超えるクスノキを立ち曳き移植し、生物多様性を重視した約5,500m²の緑地、ビオトープを創出。周辺道路の新設・再整備、既存地下鉄に接続する地下通路の延伸といった歩行者ネットワークの形成、外国人の生活を包括的にサポートする施設の充実など、東京の国際競争力の向上に寄与する。また、DHCサブプラント整備などによる都市レベルの環境対応、災害時のBCP、地区間連携による地域防災対応も強化されている。 上層階のラグジュアリーライフスタイルホテル『東京エディション虎ノ門』の存在も、エリア全体のホスピタリティを高めている。 建築主森トラスト株式会社 所在地東京都港区 撮影森トラスト株式会社(提供) 賞2021年度CFT構造賞
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サントリーホール
世界一美しい響きのコンサートホール 「世界一美しい響き」を目指して1986年10月に開館したサントリーホールは、「音楽は演奏家と聴衆が一体となって創り、共に喜び楽しむもの」という、指揮者・故ヘルベルト・フォン・カラヤンの助言により我国初のヴィンヤード型を採用し、クラシック音楽専用ホールとして確実に歴史を刻み価値を創生してきた。 これまでも、建築・設備設計者、音響設計者、運営・管理者と施工者による定期的な会議体により開館後40年近くにわたってホールを支え続けている。その活動は、維持・継承を超えて、その価値をスパイラル状に高め、常に成長に繋げる+Value Spiral / 価値を高める活動の循環/ であり、これらの施設運営を通じた長年にわたる音楽文化への貢献に対して、2019年に日本建築学会賞(業績)とBELCA賞を受賞している。 2020年にはCOVID-19感染防止策立案に際して、建築的視点から適切なアドバイスをおこなった。 また、当社で同ホールの設計を主導した佐野正一(1921-2014)の生誕100年という節目にあたり、2021年3月に『The Story of SUNTORY HALL~世界一美しい響きをめざして』を発刊した。 建築主サントリー株式会社 所在地東京都港区 備考設計(建築・設備):安井建築設計事務所 設計(構造):入江・三宅設計事務所 設計(音響):永田音響設計 撮影黒住直臣 賞JIA25年登録2015 2019年日本建築学会賞(業績) 第28回 BELCA賞 平成29年 照明普及賞 JIA 25年賞2012 第5回 日本照明賞
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東京国立博物館
東京国立博物館 本館(改修) 現在の本館は、大正12年(1923年)に関東大震災により損壊したJ.コンドル設計の旧本館に代わり、昭和天皇の即位を記念し「日本趣味を基調とした東洋式」という条件で設計案を公募して建てられ、昭和13年(1938年)に開館した。渡辺仁による設計で、コンクリート建築に瓦屋根をのせ、東洋風を強く打ち出した「帝冠様式」の代表的建築とされ、平成13年(2001年)には重要文化財に指定されている。 重要文化財として既存建物を保存しながら改修することを前提に、平成18年(2006年)には地下収蔵庫を最新の保存技術を用いて全面改修。平成26年(2014年)には1階常設展示室(15-16-17-18室)の内装改修を中心に、展示ケースや照明システムの更新を行い、現代の展示計画に対応できる機能を付加した。また、メインエントランスの自動扉を新設、日本庭園への出入りのため風除室を設置するなど気密性の向上を図った。そのほか、バリアフリー対応として、エレベーターの更新や地下1階トイレの改修、教育普及機能の向上として、地下1階レクチャースペースの内装改修なども行った。 「その時代の最先端の技術を駆使しながら、国の文化財を守り、後世に継承する。」 当社の東京国立博物館における改修では常に心がけていることである。 建築主独立行政法人 国立文化財機構東京国立博物館 所在地東京都台東区 撮影淺川敏 東京国立博物館 正門プラザ 約10万m²の広大な敷地を有する日本を代表する東京国立博物館の正門がリニューアルされ「上野の森を訪れる人に親しまれ」「博物館を身近に感じられる」場として『正門プラザ』が整備された。 拡張された売札所に加え、敷地への入場ゲートの役割として敷地内主要建物を「一望できるエントランス空間」、「キッズルーム(託児室)」等が設けられ、博物館と公園の接点には無料ゾーンとして、博物館の活動を外に発信する東博の「ショーケース」の役割をもつショップ棟を配置し、待合わせやチケット待ち滞留スペース等としてフレキシブルに使える「ラウンジ」、「ひろば」も新たに整備された。誰でも気軽に利用できる開かれたパブリックスペースとすることで、上野公園を訪れる多くの人にとって、魅力的な「立ち寄りスポット」になっている。 明治5 年(1872年)に創立した日本で最も長い歴史をもつ博物館であり、上野公園から本館に向かう風景は格調ある歴史的景観である反面、閉鎖的で敷居の高さを感じさせる要素にもなっていた。その景観を大きく変えないことと多様化する来館者への対応を前提に、これまで博物館に興味を持たなかった人に対しても、博物館の活動や催しを身近に感じられる「きっかけ」の場としている。 建築主独立行政法人 国立文化財機構東京国立博物館 所在地東京都台東区 撮影淺川敏 東京国立博物館 平成館 皇太子殿下御成婚記念「平成館」は、企画展専用の特別展示場を整備することを主目的にして、本館に隣接して造営された博物館である。 昭和の時代に完成した最高の建築技術を駆使することで平成初頭の時代性を有し、平成の時代にふさわしい明るく品格のある記念的な建物であること、上野の森の環境や既存施設と調和する建築であること、さらに長期にわたり、収蔵品を安全に保管・展示できる優れた性能をもつ建築であることを目指している。 「平成の時代性の表現」と「優れた性能の発現」は、設計時点での綿密な検討と、施工完了までの品質管理に対する発注者・ユーザー・設計者・施工者・メーカーの間の緊密なコラボレーションを通じて実現されたものである。 東京国立博物館に於いては、竣工15年後の平成館展示室改修設計のほか、館内他施設のリニューアルや新築を通して日本を代表する芸術文化拠点の価値を次世代に伝える活動を続けている。 建築主国土交通省関東地方整備局 所在地東京都台東区 備考設計・監理:建設省関東地方建設局営繕部、安井建築設計事務所 撮影エスエス、淺川敏 東京国立博物館 黒田記念館(改修) 東京国立博物館黒田記念館は、日本近代洋画の父、黒田清輝(1866~1924)の遺産と作品が国に寄贈されたことが契機となり、昭和3年(1928年)に建築家岡田信一郎の設計により竣工した。 登録文化財である建物の耐震・改修設計にあたっては、「原設計者の意図を継承し、次世代へ引継ぐと共に、空間性能と機能性を向上し、“快適安心滞在型”記念館に再生する」ことをテーマに掲げた。 特徴的な外観と空間デザインは基本的に変えず継承し、耐震補強要素は来館者の目に触れない場所に集中して配置。特に展示室は、オルセー美術館の改修に学び、「特別室」の既存空間内側には、『湖畔』や『智・感・情』等の代表作品を美しく見せる有彩濃色の展示壁を付加。「黒田記念室」は創建時の意匠を継承している。 安定した室内温湿度環境の確保のため、外周壁部の意匠に影響の無い範囲で内断熱処理を施し、外壁開口部にインナーサッシを付加するなど、外気流入と結露防止を図った。展示空間の空調も高効率なシステムに改修し、恒温恒湿の環境を省エネ仕様で実現した。 新設の段差解消機や新設エレベーターを経由し、全てのゾーンに車椅子で単独移動できるルートを確保したバリアフリー化、館内トイレもあわせてユニバーサル化を徹底した。 オープンテラスを備えた快適なカフェ空間も新設し、休館日にも単独利用できるゾーニングで周辺地域環境に開かれた施設となった。 建築主独立行政法人 国立文化財機構東京国立博物館 所在地東京都台東区 撮影淺川敏 東京国立博物館 東洋館(改修) 1968年開館、原設計・谷口吉郎氏による既存建物の「清らかな意匠」の継承と刷新性のバランスを図りながら、展示機能に制約を与えない耐震補強を実現した。最新の展示計画・保存展示技術にもとづいた展示ケースの導入や収蔵庫の性能を向上させながら、展示空間のフレキシブル性を高める天井システムや照明技術などを採用している。既存のスキップフロア構成も継承したEVの新設、トイレ等のユニバーサルデザイン化も徹底した。 建築主独立行政法人 国立文化財機構東京国立博物館 所在地東京都台東区 撮影淺川敏、エスエス 東京国立博物館 表慶館(改修) 明治42(1909)年、後の大正天皇のご成婚を記念して建てられた「表慶館」。片山東熊の設計で昭和53(1978)年に重要文化財にも指定された明治末期の洋風建築を代表する建物。 改修設計では、関東大震災を耐えた煉瓦組積造の重要文化財に損傷を与えることなく、バリアフリー対策として、1・2階を結ぶエレベーターを新設し、これまで足の不自由な方々の2階への移動をスムーズなものにした。あわせて多目的トイレも設置している。 当社が関わった東京国立博物館の東洋館や黒田記念館などもあわせた一連の改修は、耐震性の確保や多様化する利用者の便宜、文化財の魅力を伝える展示スペースの性能向上などを目的に、東京国立博物館が積み重ねた歴史と建築的な成果、そこに現代最高の技術と対話で応えているものである。 建築主独立行政法人 国立文化財機構東京国立博物館 所在地東京都台東区 撮影淺川敏
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東京汐留ビルディング/コンラッド東京
汐留地区全体の価値・利便性を高めるオフィスビル 本ビルは、汐留地区再開発地区(汐留シオサイト)の浜離宮恩賜庭園を望む一角に位置する。 「職・遊・住」の新クオリティを目指して、最新の機能性を備えた専有部約3,300m²オフィスと、上階に約290室規模のヒルトン系ラグジュアリーホテル「コンラッド東京」とオフィスワーカーのサポート機能が充実した商業施設から構成されている。 オフィス部分の外観は、整然としたグリッドで表現され、横ラインのガラス壁面を持つホテル客室階とは切り分けた表現としている。低層部各階はオフィス・ホテル施設へのエントランスと商業施設によって構成され、公共交通への多層的なアクセスを実現した。 外構デザインにおいては、隣接するD-2・D-3街区との景観的な協調も配慮され、公共性と利用度の高いオープンスペースを生み出し、宴会場棟、各ビルが浜離宮の緑や水景とやわらかく連続するものとなっている。 建築主森トラスト株式会社、住友不動産株式会社 所在地東京都港区 撮影株式会社K.K.川澄建築写真事務所 賞平成17年 照明普及賞 IES Illumination Awards 2006
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安井建築設計事務所 東京事務所
これからの建築設計事務所の場 「自由・自主・自治・自立・自律」のカルチャーのもと、企画や対話を通じて自ら社会とのつながりを作り成長する設計者を育成し、その活躍の場を提供することを目指した自社オフィス。 1階のまちとつながるスペースは路地側を大きく開放し、地域のための土間的な空間とした。ここでの活動や雰囲気は、各階の吹き抜け階段とフロアの回遊動線によって2階、3階の執務エリアまでひとつながりになる。 1966年に竣工した建築をリノベーションし利用し続けることによるエンボディ―ド・カーボンの削減や、ZEB Orientedの取得に加えて、デジタル技術と絡めた設備システムの稼働、そしてバイオフィリックを取り入れたウェルビーイングなデザインによる生産性の向上など、これからのオフィス、働く場の姿を、社会に提案している。 周囲とのつながりを通じ、そしてまちの回遊性を取り込みながら、このオフィスから生まれる変化の連鎖が、地域社会のカルチャーを深め、社会の変容に寄与することを目指してゆく。 所在地東京都千代田区 撮影大河内禎 賞屋内緑化コンクール2024 屋内緑化推進協議会会長賞
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東京都渋谷合同庁舎
多様な自然を取り込むスマート庁舎 東京都の都税事務所と水道局の営業所が入居する庁舎の計画である。敷地の西隣には明治神宮、北東には新宿御苑があり、都心にありながら有数の大規模緑地の間に位置している。 東西面に張り出したバルコニーには壁面緑化を施し、地上部に設けることが困難な緑化面積を確保するとともに、外観上の特徴としている。バルコニーの軒天には多摩産木材を採用し、自然素材のファサードによって、周辺環境と連続したみどりのネットワークづくりを試みた。 また、通りに沿って流れる卓越風をウィンドキャッチと自然換気窓によって取り込むことで自然通風を促進し、環境負荷を低減する計画とした。 「ちがいをちからに変える街」をスローガンに掲げる渋谷区にふさわしく、敷地の特殊性を建築の特長に変えることをめざした。 建築主東京都 所在地東京都渋谷区 撮影有限会社スタジオバウハウス
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日本大学芸術学部 江古田キャンパス
シンプル+ホワイトキャンパス 既存の江古田キャンパスを使用しながら、約6年におよぶ建替計画。計画の課題は、「周辺環境に対し芸術学部特有の音の問題に配慮した配置計画」、「各学科・部門の特性を見極めつつ、建替引越順序を考慮したプランニング」を掲げ、極めて複雑な作業を遂行した。学生の創作活動を最大限に引き出すために、「キャンパスはキャンバス」というコンセプトに基づき、”学生が主役・建物は引き立て役”となることをめざし、また既存の白いキャンパスイメージを継承し、「シンプル+ホワイトキャンパス」をデザインテーマとしている。学科間交流を意識して中庭を囲む建物配置とし、そのスクラムを穿つようなアプローチは地域社会を引き込むイメージを演出。エントランスには学科に属さない「アートギャラリー」を設け、”日藝のショーケース”として学生たちの活動を社会へと発信し続けるものとなる。 ※セキュリティー上、関係者以外の施設内の立ち入りはご遠慮ください。 建築主学校法人 日本大学 所在地東京都練馬区
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丸の内トラストシティ/シャングリ・ラ 東京
都市の水準を映し出す大型建築 丸の内トラストシティ(丸の内トラストタワーN館・本館)の計画地は、東京駅の3つの駅前広場のひとつ「日本橋口駅前広場」に隣接する。国内外企業の本社機能が集積する日本有数のビジネスセンターとして成長し続けている。設計当初からさまざまな事業形態が模索された結果、N館を先行整備したのちに、都市再生特別地区の都市計画決定を受けて本館を増築するという段階整備が選択された。高いポテンシャルを持つテナントオフィスビルの実現が最大のテーマであり、駅前の立地を最大限活かし、東京の中心にふさわしい建築計画となるよう砕身した。日本橋口からの視認性とオフィスとしての風格、駅前広場という都市的な空地との関係性において、また日本最高レベルのスペックの実現において、テーマに叶うものが出来たと考える。本館上層階には、ラグジュアリーホテルとして『シャングリ・ラ』が誘致され、国際的なビジネスセンターの支援機能として大きな役割が期待される。 建築主森トラスト株式会社 所在地東京都千代田区 備考N館:地上19階 地下3階 本館:地上37階 地下4階 ・N館 設計(意匠・構造)・監理:森トラスト、安井建築設計事務所 監理協力:KAJIMA DESIGN ・本館 設計(建築):安井建築設計事務所、戸田建設 設計(設備)森村設計 撮影株式会社三輪晃久写真研究所、株式会社川澄建築写真事務所 賞平成21年度 CFT構造賞 日本建築家協会優秀建築選2009
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目黒区総合庁舎(改修)
民間企業本社を公共建築へ、再生する建物 建築家・村野藤吾の代表作、民間のオフィスビルであった旧千代田生命本社ビル(1966年竣工)を用途変更し、区庁舎とした。あわせて耐震改修も実施し、地区行政の中枢として安全性の向上も図っている。改修は2003年に実施された。 建築主目黒区 所在地東京都目黒区 撮影平剛風アトリエ