青森県重宝 旧岩田家住宅
弘前市の旧弘前城北側に位置する仲町伝統的建造物群保存地区の武家住宅。生垣と表門、座敷とツボ(鑑賞庭園)、格式ある玄関、裏手のカグヂ(裏庭)といった、江戸時代のサムライの屋敷構えを色濃く残す文化財です。
update date: 2020.08.06
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カグヂ(裏庭)
武家住宅の裏には自家菜園や実のなる木や草などが植えられた実用的な庭「カグヂ」が設けられました。質素倹約を旨としたサムライの自給自足的な生活の名残です。
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ツキニワ(土間)
土間の部屋が主屋から突き出して、ここが炊事の場となりました。
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ジョイ(居間)
中央に囲炉裏があり、家族が普段くらす居間です。部屋の東側が表を向いた縁・開口をもちます。それに対して西側が裏手で、閉鎖的な壁に囲われたネマ(寝室)です。このように西側を閉鎖的とする屋敷構えは、西日や岩木山からの西風を避けるためといわれます。風土を考えた合理的な間取りです。
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式台玄関
格式を重んじるサムライの住まいには、座敷へ来客を迎える「式台玄関」を設けていました。家族の出入り口は、この奥の勝手口に設けられており、式台玄関は専ら来客専用のものでした。
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座敷
弘前の武家住宅では、来客を迎えたり書斎として利用する座敷は、通り側に設けられる間取りが一般的でした。この座敷に面して、ツボ(鑑賞庭園)が設けられます。
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ツボ(鑑賞庭園)
主屋の通り側に座敷が設けられて、その座敷から鑑賞庭園「ツボ」が眺められる屋敷構え。旧岩田家住宅のツボは、津軽地方に伝わる大石武学流庭園の影響をみることができます。
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表門
江戸時代のサムライの住まいは通り側に生垣をまわし、主屋は奥に隠れるよな姿をみせます。生垣はサワラの木を竹で編んでつくり、一年に数回のせん定を繰り返して維持されています。