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東京ビエンナーレ2025 日本橋・馬喰町エリア

東京ビエンナーレ2025 日本橋・馬喰町エリア

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Tokyo Biennale 2025Posted byTokyo Biennale 2025Updated:
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《TOKYO PERSPECTIVE》SIDE CORE(撮影場所)

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《best hour》(シリーズ〈underpass poem〉より)昔、神田に住んでいました。よく散歩をしていましたが、気になるけれどあえて立ち止まって見ることがなかった場所があります。それが首都高上野1号線の高架下です。首都高1号羽田線の歴史は古く、高架下のガードレールや柱に排気ガスのススが長年降り積もって、真っ黒になっています。最近の車はそんなに多くの排気ガスを排出しないので、今となってはただ汚い高架下に歴史を感じてしまいます。また場所によっては誰かが指で書いた落書きがちらほらと点在していて、渋滞時よくそれを眺めていました。意味不明な落書きが多いのですが、よく見れば中央分離帯など人が歩かない場所にかかれているものもあり、意外な作為性があります。今回、久しぶりに神田を訪れて散歩をしたとき、私たちもススを指で拭って詩を描いてみました。一見簡単そうに見えるのですが降り積もったススが固まっていて、一本の線を引くことすら難しく、手も服も真っ黒になりました。触れてみて初めてわかる街の姿があるのだと思います。もし、場所を探しに散歩してもらえるのであれば、皆さんもぜび触ってみてください。(SIDE CORE)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。

《TOKYO PERSPECTIVE》豊嶋康子(撮影場所)

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《Backshift 1990〜2025(聖徳ビル)》(シリーズ〈underpass poem〉より)東京ビエンナーレ2025の開催エリアには、過去に私が個展をした場所が複数含まれている。「犯人は現場に戻る」という俗説に沿うかのような、あるいは帰巣本能に促されるような気持ちで、しばらく行くことがなかったその場所を訪ねてみる。かつて短期間だったが自分の作品を置いた記憶は鮮明で、まだその時のストレスは続いている。当時は作品を展示する空間になるべく、壁を塗り、照明に苦心した小さな経験の場だったが、今は建物や土地という不動産としての別の相がみえる。いつその場と関わったかということ、そして今回もその場を見にいったということ。この空間に個人的に関わる2点の事実を、時間軸を通して文章のように結びつけるために撮影という方法を選んだ。建物は35年前と変わらずにある場合もあれば、すでに取り壊されて駐車場になっている場合もある。共通していたのは、当時の関係者は現在その住所にはいないということである。(豊嶋康子)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。

《TOKYO PERSPECTIVE》豊嶋康子(撮影場所)

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《Backshift 1992〜2025,1997〜2025, 2000〜2025(日本橋秋山ビル)》(シリーズ〈Backshift 2025〉より)東京ビエンナーレ2025の開催エリアには、過去に私が個展をした場所が複数含まれている。「犯人は現場に戻る」という俗説に沿うかのような、あるいは帰巣本能に促されるような気持ちで、しばらく行くことがなかったその場所を訪ねてみる。かつて短期間だったが自分の作品を置いた記憶は鮮明で、まだその時のストレスは続いている。当時は作品を展示する空間になるべく、壁を塗り、照明に苦心した小さな経験の場だったが、今は建物や土地という不動産としての別の相がみえる。いつその場と関わったかということ、そして今回もその場を見にいったということ。この空間に個人的に関わる2点の事実を、時間軸を通して文章のように結びつけるために撮影という方法を選んだ。建物は35年前と変わらずにある場合もあれば、すでに取り壊されて駐車場になっている場合もある。共通していたのは、当時の関係者は現在その住所にはいないということである。(豊嶋康子)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。

《TOKYO PERSPECTIVE》SIDE CORE(撮影場所)

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ 《myterious old man sitting on the bench all day》(シリーズ〈underpass poem〉より) ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 昔、神田に住んでいました。よく散歩をしていましたが、気になるけれどあえて立ち止まって見ることがなかった場所があります。それが首都高上野1号線の高架下です。首都高1号羽田線の歴史は古く、高架下のガードレールや柱に排気ガスのススが長年降り積もって、真っ黒になっています。最近の車はそんなに多くの排気ガスを排出しないので、今となってはただ汚い高架下に歴史を感じてしまいます。また場所によっては誰かが指で書いた落書きがちらほらと点在していて、渋滞時よくそれを眺めていました。意味不明な落書きが多いのですが、よく見れば中央分離帯など人が歩かない場所にかかれているものもあり、意外な作為性があります。今回、久しぶりに神田を訪れて散歩をしたとき、私たちもススを指で拭って詩を描いてみました。一見簡単そうに見えるのですが降り積もったススが固まっていて、一本の線を引くことすら難しく、手も服も真っ黒になりました。触れてみて初めてわかる街の姿があるのだと思います。もし、場所を探しに散歩してもらえるのであれば、皆さんもぜび触ってみてください。(SIDE CORE)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。

《TOKYO PERSPECTIVE》鈴木理策(撮影場所)

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《日本橋》(シリーズ〈解像度について〉より)東京の写真は東京生まれの人が撮ったものが面白い、と学生の頃に聞いたことがある。変わってしまった風景に撮影者が思い出を投影するからだろうか。他所で生まれた人よりもシャッターを押す理由が多くあるということなのか。写真の作業を「撮影」と「撮影の後で撮った写真を見ること」に分けて考えてみる。出来上がった写真を見る時、そこに撮った理由が表れていると、撮影者の思い出や感情を想像し、気持ちを重ねることができる。写真は、実際にシャッターを押した時に生まれるのではなく、もっと遡った時間、撮影者の過去の経験や記憶から生まれる場合も多い。複層的な時間をそなえていることは写真の魅力のひとつだと思う。では撮られた写真からは何が生まれるか? そこから始めることはできないかと考えた。対象とカメラの距離が写真の種類を決定することは経験上心得ている。だが手法が導く効果の道すじから離れて、東京を撮影してみたいと考えた。(鈴木理策)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。

写真プロジェクト「Tokyo Perspective」

《TOKYO PERSPECTIVE》鈴木理策(撮影場所)

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《日本橋室町・北を望む》(シリーズ〈解像度について〉より)東京の写真は東京生まれの人が撮ったものが面白い、と学生の頃に聞いたことがある。変わってしまった風景に撮影者が思い出を投影するからだろうか。他所で生まれた人よりもシャッターを押す理由が多くあるということなのか。写真の作業を「撮影」と「撮影の後で撮った写真を見ること」に分けて考えてみる。出来上がった写真を見る時、そこに撮った理由が表れていると、撮影者の思い出や感情を想像し、気持ちを重ねることができる。写真は、実際にシャッターを押した時に生まれるのではなく、もっと遡った時間、撮影者の過去の経験や記憶から生まれる場合も多い。複層的な時間をそなえていることは写真の魅力のひとつだと思う。では撮られた写真からは何が生まれるか? そこから始めることはできないかと考えた。対象とカメラの距離が写真の種類を決定することは経験上心得ている。だが手法が導く効果の道すじから離れて、東京を撮影してみたいと考えた。(鈴木理策)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。

《TOKYO PERSPECTIVE》鈴木理策(撮影場所)

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《日本橋室町・東を望む》(シリーズ〈解像度について〉より)東京の写真は東京生まれの人が撮ったものが面白い、と学生の頃に聞いたことがある。変わってしまった風景に撮影者が思い出を投影するからだろうか。他所で生まれた人よりもシャッターを押す理由が多くあるということなのか。写真の作業を「撮影」と「撮影の後で撮った写真を見ること」に分けて考えてみる。出来上がった写真を見る時、そこに撮った理由が表れていると、撮影者の思い出や感情を想像し、気持ちを重ねることができる。写真は、実際にシャッターを押した時に生まれるのではなく、もっと遡った時間、撮影者の過去の経験や記憶から生まれる場合も多い。複層的な時間をそなえていることは写真の魅力のひとつだと思う。では撮られた写真からは何が生まれるか? そこから始めることはできないかと考えた。対象とカメラの距離が写真の種類を決定することは経験上心得ている。だが手法が導く効果の道すじから離れて、東京を撮影してみたいと考えた。(鈴木理策)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。

《TOKYO PERSPECTIVE》豊嶋康子(撮影場所)

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《Backshift 1992〜2025(本銀第2ビル)》(シリーズ〈Backshift 2025〉より)東京ビエンナーレ2025の開催エリアには、過去に私が個展をした場所が複数含まれている。「犯人は現場に戻る」という俗説に沿うかのような、あるいは帰巣本能に促されるような気持ちで、しばらく行くことがなかったその場所を訪ねてみる。かつて短期間だったが自分の作品を置いた記憶は鮮明で、まだその時のストレスは続いている。当時は作品を展示する空間になるべく、壁を塗り、照明に苦心した小さな経験の場だったが、今は建物や土地という不動産としての別の相がみえる。いつその場と関わったかということ、そして今回もその場を見にいったということ。この空間に個人的に関わる2点の事実を、時間軸を通して文章のように結びつけるために撮影という方法を選んだ。 建物は35年前と変わらずにある場合もあれば、すでに取り壊されて駐車場になっている場合もある。共通していたのは、当時の関係者は現在その住所にはいないということである。(豊嶋康子)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。

《TOKYO PERSPECTIVE》豊嶋康子(撮影場所)

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《Backshift 2015〜2025(アガタ竹澤ビル)》(シリーズ〈Backshift 2025〉より)東京ビエンナーレ2025の開催エリアには、過去に私が個展をした場所が複数含まれている。「犯人は現場に戻る」という俗説に沿うかのような、あるいは帰巣本能に促されるような気持ちで、しばらく行くことがなかったその場所を訪ねてみる。かつて短期間だったが自分の作品を置いた記憶は鮮明で、まだその時のストレスは続いている。当時は作品を展示する空間になるべく、壁を塗り、照明に苦心した小さな経験の場だったが、今は建物や土地という不動産としての別の相がみえる。いつその場と関わったかということ、そして今回もその場を見にいったということ。この空間に個人的に関わる2点の事実を、時間軸を通して文章のように結びつけるために撮影という方法を選んだ。建物は35年前と変わらずにある場合もあれば、すでに取り壊されて駐車場になっている場合もある。共通していたのは、当時の関係者は現在その住所にはいないということである。(豊嶋康子)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。

《TOKYO PERSPECTIVE》中村政人(撮影場所)

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《イエロー/ワイヤーロック》撮影場所:エトワール海渡商品部ビル(千代田区東神田1−13−3)入り口から東京都立一橋高等学校前路肩を撮影ワイヤーロックを街で見かけると、ついその持ち主のことを想像してしまう。いつから、なぜここにあるのだろう――そう思うと、思わずカメラを向けてしまう。1994年ごろ、私は銀座のあちこちに自転車用のワイヤーロックを仕掛け、その鍵をギャラリーで展示したことがある。当然だが、その鍵を持っていけばワイヤーロックは外せる。逆に外さずに、そこに置いたままにしておくこともできる。実際、ある交番横の掲示板につけたワイヤーロックは、その後、掲示板の仕様が変わるまでずっと何年もそこに残っていた。私はその近くを通るたび、無意識のうちにその存在を確認していた。新しい事務所に引っ越したとき、ビルの入口前でかなり太いタイプのワイヤーロックを見つけた。それ以来、毎日ビルに入るたびにその姿を確かめるのが習慣になってしまった。「今日もちゃんといるね、そこにいるね」と、まるで安否を確かめるような気持ちで声をかける。いつか持ち主が現れて持ち去る日が来るのかもしれない。あるいは誰かがワイヤーカッターで切り捨ててしまうのかもしれない――そんな憶測を抱きながら見つめてしまう。背景に見える東京都立一橋高等学校の壁画が、どこか愛嬌のあるユーモラスな絵だからだろうか、このワイヤーロックのある風景は、私にとってかけがえのない、自己をそっと投影できる小さな居場所のように感じられる。フェンスの向こうに見える配電塔も、かつて作品として扱ったモチーフであり、そのことがさらに親近感を呼び起こしている。そんな風景の中に自分を一瞬重ねるようにして、私は黄色いボールを置き、シャッターを切った。ボールはそのままにしておいたが、翌日にはもう姿を消していた。東京で「そこに在り続ける」ということには、しなやかさな振るまいと、したたかな覚悟が必要なのだと、あらためて感じた。(中村政人)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。

《TOKYO PERSPECTIVE》中村政人(撮影場所)

東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《イエロー/屋上プール》撮影場所:エトワール海渡商品部ビル(千代田区東神田1−13−3)入り口から東京都立一橋高等学校屋上を撮影最近、新たに構えたスタジオの窓から、向かいにある一橋高校の屋上プールが間近に見える。毎日その光景を目にしながら、いつしかそれを「当たり前の都市風景」として受け流していた。しかしある日、空の光を受けて青く透きとおるその水面を見た瞬間、そこに、一つの逸脱感を感じた。プールいっぱいに満ちる水の存在感――その物質としての圧倒的な量と質――私には、それが単なるプールという施設以上の水の存在を語りかけているように思えた。現代美術において、原口典之の《オイルプール》は、鉄製のプールに黒い廃油を満たし、その鏡面によって「物質と精神」の関係を提示した作品として広く知られている。だが、目の前にあるこの屋上プールにも、同じように「物質と精神のあわい」が潜んでいるように感じてしまうのは、私だけだろうか。多摩川上水が江戸まで勾配を計算して掘り下げられ、重力に従って水を運んできたのに対し、この屋上にあるプールは、自然の循環とは異なり重力に逆らって空に浮かぶ「水の塊」として存在している。水はときに洪水を起こし都市を破壊するほどの力を秘めているが、ここでは重力のエネルギーを蓄えたまま塊としてその力を秘めたまま静かに眠っている。コンクリートのビル群に現れる屋上の水面は、空と雲と光を映し込み、もうひとつの空を生み出す。その光景は、詩的な意味で都市の余白を感じさせる。私は、その異質な静けさと驚異に惹かれながら、黄色いボールをひとつ置き、シャッターを切った。(中村政人)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。

展示会場展示会場

東京ビエンナーレファッション衣料から雑貨、食品に至るまで幅広い商材を揃える創業123年の老舗問屋、総合卸商社エトワール海渡のリビング館が展示会場に。6フロアで作品展示を行う。特別協力:エトワール海渡※本会場には拠点会場鑑賞チケット(有料)が必要です。[参加作家]L PACK.、窪田望、鈴木真梧、岩岡純子、グエン・フォン・リン/チュオン・クエ・チー(ベトナム)、ピョトル・ブヤク(ポーランド)、渡辺英司ーーーーーーーーー『Tokyo Perspective』片山真理、SIDE CORE、鈴木理策、豊嶋康子、中村政人、畠山直哉、港千尋ーーーーーーーーー『海外アーティスト公募プロジェクト 「SOCIAL DIVE」』ナラカ・ウィジェワルダネ(スリランカ)、カミラ・スヴェンソン(ブラジル)、マリアム・トヴマシアン(アルメニア)、アダム・ロイガート(スウェーデン)ーーーーーーーーー『「点 音(おとだて)」in 東京ビエンナーレ 2025』鈴木昭男(エトワール海渡リビング館周辺)東京都千代田区東神田1-15-15アクセス:JR総武線「馬喰町駅」4番出口より徒歩2分、都営新宿線「馬喰横山駅」A1出口より徒歩6分Open:11:30-18:00/金のみ11:30-19:00Closed:月・火経路を探す(Google Maps)

東京ビエンナーレ※本会場は無料で鑑賞可能です。[参加作家]Tenthaus Art Collective and the Oven Network東京都千代田区神田須田町2-13-5アクセス:都営新宿線「岩本町駅」A6出口より徒歩2分、JR「秋葉原駅」昭和通り口より徒歩4分Open:11:30-16:30Closed:月・火・水経路を探す(Google Maps)

o to da teo to da te

《点音》鈴木昭男

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ靖国通りから馬喰町 1丁目側に入った三叉路の一角にある「点 音」に佇むみ、靖国通りと江戸通りから入ってくる騒音の波に耳を委ねる。(鈴木昭男)《点 音(o to da te)》とは?日本におけるサウンド・アートの先駆的な活動者として知られる鈴木昭男は、1960年代より、音と場の関わり方を探求する姿勢によって、「自修イベント」やパフォーマンス、インスタレーションなどを国内外で展開してきました。今回は、鈴木の幅広い活動の中でも特に「聴く」ことにフォーカスした代表的なプロジェクト「点 音(o to da te)」を、都内6か所で実施します。「点 音」は、茶の湯の野点(屋外で行う茶会)のように、参加者が定められた場所(ポイント)で風景を感じながら耳を澄まして感覚を開くプロジェクト。それぞれのポイントは、鈴木が自らまちなかを探索して、ユニークな環境音や反響音が聴ける場所を探し出したものです.選ばれたポイントには、佇みを誘う足跡の形と、聴くことを即す耳の形からなるマークが敷設されています。歴史ある寺院の境内にある老樹に向き合うものや、美術館やギャラリーの多い賑やかな通りの周辺など、参加者はマップをもとにそれらのポイントを訪ねます。ひとり静かにマークの上に立つと、聴覚意識がスイッチオンし、その時々の巷の音に耳を澄ます体験ができます。そこでは私たち誰もが「聴く側にも、作曲者にもなれる」、そうした能動性のある時間を過ごすことになるでしょう。特別助成:公益財団法人石橋財団特別協力:エトワール海渡※本会場は無料で鑑賞可能です。[参加作家]鈴木昭男東京都千代田区東神田1-15-15 エトワール海渡リビング館Open:日中

東京ビエンナーレエトワール海渡ビルの曲がり角のスポットは、江戸通りを超えて遠くに近くに耳のフォーカス移動できる。前方の道路を横切る人や車のドラマを観察〈佇のポイント〉。(鈴木昭男)《点 音(o to da te)》とは?日本におけるサウンド・アートの先駆的な活動者として知られる鈴木昭男は、1960年代より、音と場の関わり方を探求する姿勢によって、「自修イベント」やパフォーマンス、インスタレーションなどを国内外で展開してきました。今回は、鈴木の幅広い活動の中でも特に「聴く」ことにフォーカスした代表的なプロジェクト「点 音(o to da te)」を、都内6か所で実施します。「点 音」は、茶の湯の野点(屋外で行う茶会)のように、参加者が定められた場所(ポイント)で風景を感じながら耳を澄まして感覚を開くプロジェクト。それぞれのポイントは、鈴木が自らまちなかを探索して、ユニークな環境音や反響音が聴ける場所を探し出したものです.選ばれたポイントには、佇みを誘う足跡の形と、聴くことを即す耳の形からなるマークが敷設されています。歴史ある寺院の境内にある老樹に向き合うものや、美術館やギャラリーの多い賑やかな通りの周辺など、参加者はマップをもとにそれらのポイントを訪ねます。ひとり静かにマークの上に立つと、聴覚意識がスイッチオンし、その時々の巷の音に耳を澄ます体験ができます。そこでは私たち誰もが「聴く側にも、作曲者にもなれる」、そうした能動性のある時間を過ごすことになるでしょう。特別助成:公益財団法人石橋財団特別協力:エトワール海渡※本会場は無料で鑑賞可能です。[参加作家]鈴木昭男東京都千代田区東神田1-15-15 エトワール海渡リビング館Open:日中

Sukima ProjectSukima Project

ミルク倉庫ザココナッツ《萬葉草奔 囿外之境(Plantation II)》

本作は、路地という存在そのものを小さな「鉢植え」へと転位させる試みです。下町の路地裏に潜む雑多な造形や重層的な時間を鉢として再編し、決して一元化されることのない都市の断面を浮かび上がらせます。鉢には、金継ぎ・鎹継ぎ・呼び継ぎといった異なる修復技法を交錯させ、陶片やコンクリート、石材、プラスチックなど多様な断片を縫合しています。こうした技法と素材の混淆は、複数の異文化や異時代を併置し、さらには、石畳やルーバーのリズムと変調や揺らぎ、高架下の陰影、建築を縁取る水切りなど、覇権的に規定された視覚秩序からこぼれ落ちてしまう都市の姿をも写し取ります。寄せ植えには、観賞用として輸入された外来種や在来種、その交配種、さらには雑草と呼ばれる植物までもが、競合関係の中でひとときの共生を見せ、馴致されることのない生きた路地裏の野生性を宿しています。 協賛:三井不動産株式会社料金:無料作家名:ミルク倉庫ザココナッツ住所:東京都中央区日本橋本町1丁目4-5アクセス:open:日中休場:無し

戸田祥子《跳ね返る、目と芽と》

とうきょうと、にほんばし、ガリガリ山のパン屋さんと、つねこさんが、階段のぼって、こーちょ、こちょ。手と腕は、日本橋の街並みになりました。指と指の間には路地があります。小さな路地には、産毛が生えるように、鉢植えの植物が寄せ合って生えています。よく見ると、目が出ています。毛穴が光るように、しっとりと艶を宿して、こちらをじっと見ているようです。産毛が健やかに育つように、支柱を建てネットを被せましょう。芽を大切にすると、遠くの方までよく見渡すことができます。そこからは何が見えるでしょうか。この腕の階段はどこに続いているでしょうか。協賛:三井不動産株式会社料金:無料作家名:戸田祥子住所:東京都中央区日本橋室町1丁目12-15open:日中休場:無し

森 靖《Power chord - Praying hands》

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ・莫大な時間と重力などによって出来た鍾乳石に、祈りのカタチを見出した。・手を合わせる祈りのポーズは多くの宗教にみられる。僕は小さな頃、カメハメ波や波動拳が出るのではないかとよく"気"をためていたのを思い出す。・この石のように、長い時間をかけたのならば、想いはカタチになるような気がする。・水の力によって穴のあいた石を連想する都市の中の「手水鉢」に、長い時間をかけて水によってできた鍾乳石から制作した作品を設置する。(森 靖)『スキマプロジェクト/日本橋室町・本町』とは?都市の構造を物理的、観念的な「スキマ」からとらえ、ビルの間のわずかな隙間(すきま)を作品発表の空間や作品そのものとして活用する試み。1999年に中村政人とコマンドNが実施した伝説的なプロジェクトで、今回は路地裏の鉢植えの隙間を縫うように、アーティスト9組の彫刻作品が鉢植えに「擬態」しながら、まちのスキマ空間を豊かに彩ります。協賛:三井不動産株式会社※本会場は無料で鑑賞可能です。[参加作家]森 靖東京都中央区日本橋室町2-5-10Open:日中

寺内木香 《もしかしての石》

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ幼少期、公園で友人と遊んでいると小さな青い石を見つけた。友人は「それはトリケラトプスの目の化石だよ」と言い、私は「目は水だから化石にはならない」と返した。実際には目は水ではないのだが、あのとき芽生えた「もしかして......」という想像の感覚は、今でも鮮明に残っている。本作は、公園や路地の隅、植木鉢の脇などに、輝く小さな石のオブジェを配置するものである。それは一見ただの石のように見えながら、どこか気になる存在として、見る人の想像を静かに誘う。日常の中にひっそりと紛れ込み、かつての記憶や妄想を呼び起こすような、想像の余白を提示する作品である。(寺内木香)『スキマプロジェクト/日本橋室町・本町』とは?都市の構造を物理的、観念的な「スキマ」からとらえ、ビルの間のわずかな隙間(すきま)を作品発表の空間や作品そのものとして活用する試み。1999年に中村政人とコマンドNが実施した伝説的なプロジェクトで、今回は路地裏の鉢植えの隙間を縫うように、アーティスト9組の彫刻作品が鉢植えに「擬態」しながら、まちのスキマ空間を豊かに彩ります。協賛:三井不動産株式会社※本会場は無料で鑑賞可能です。[参加作家]寺内木香東京都中央区日本橋室町2-5-10Open:日中

栗原良彰《カワウソ☆ガイタヨ♡》

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレかつて日本の水辺に暮らし、人々に親しまれながらも姿を消した「ニホンカワウソ」。その存在は絶滅したと考えられ、この世界から失われた絶滅種としてのみ、私たちの記憶の中で生き続けています。本作品は、日本橋川から程近い日本橋室町という都市の中心において、もしも植栽の間からふいにカワウソが姿を現したなら——という「予期せぬ出会い」をカタチにしたものです。陶芸による彫刻作品によって、都市に潜む自然の気配を召喚し、失われた命との想像上の遭遇を目指します。思いがけずこの小さな存在と目を合わせたとき、都市の日常風景に現在〜江戸〜それ以前〜へと続くここに生きる物語を帯び、自然と共にある我々の未来を考えるきっかけとなることを望みます。(栗原良彰)『スキマプロジェクト/日本橋室町・本町』とは?都市の構造を物理的、観念的な「スキマ」からとらえ、ビルの間のわずかな隙間(すきま)を作品発表の空間や作品そのものとして活用する試み。1999年に中村政人とコマンドNが実施した伝説的なプロジェクトで、今回は路地裏の鉢植えの隙間を縫うように、アーティスト9組の彫刻作品が鉢植えに「擬態」しながら、まちのスキマ空間を豊かに彩ります。協賛:三井不動産株式会社※本会場は無料で鑑賞可能です。[参加作家]栗原良彰東京都中央区日本橋室町1-4-1Open:日中

6lines studio+塚本由晴《日本橋のイエハニワ》

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ都市開発により高層化する無色透明なビル群。街区内の路地に立つと、そこは相対的に低く、暗く、日本橋の街はまるで地の底に沈んだようだ。五街道の起点、人や物の集積地として町人長屋や露店、魚市場や倉庫などが立ち並び活気あふれる日本橋は、明治以降百貨店や銀行の進出により商業・金融地としても発展を続けた。しかし、関東大震災や東京大空襲を経て、高度経済成長期の首都高速の上空敷設など街の歴史的な佇まいは戦後大きく変化してきた。どの場所にも今に至るまでに辿ってきたそれぞれの経路があり、それなしで現在の姿を語ることはできない。かつて日本一と呼ばれたその街並みを見ることはもはや難しいが、江戸の地割が生み出した都市の隙間は今もぽっかりと存在し続け、それは人間の時間を超えて生き続けている。私たちは、かつて日本橋の街を構成した建物を形どった焼き物を製作し、街の様々な隙間に並べることで過去を想う。(6lines studio+塚本由晴)『スキマプロジェクト/日本橋室町・本町』とは?都市の構造を物理的、観念的な「スキマ」からとらえ、ビルの間のわずかな隙間(すきま)を作品発表の空間や作品そのものとして活用する試み。1999年に中村政人とコマンドNが実施した伝説的なプロジェクトで、今回は路地裏の鉢植えの隙間を縫うように、アーティスト9組の彫刻作品が鉢植えに「擬態」しながら、まちのスキマ空間を豊かに彩ります。協賛:三井不動産株式会社※本会場は無料で鑑賞可能です。[参加作家]6lines studio+塚本由晴東京都中央区日本橋室町1-12-6Open:日中

戸田祥子《跳ね返る、目と芽と》

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレとうきょうと、にほんばし、ガリガリ山のパン屋さんと、つねこさんが、階段のぼって、こーちょ、こちょ。手と腕は、日本橋の街並みになりました。指と指の間には路地があります。小さな路地には、産毛が生えるように、鉢植えの植物が寄せ合って生えています。よく見ると、目が出ています。毛穴が光るように、しっとりと艶を宿して、こちらをじっと見ているようです。産毛が健やかに育つように、支柱を建てネットを被せましょう。芽を大切にすると、遠くの方までよく見渡すことができます。そこからは何が見えるでしょうか。この腕の階段はどこに続いているでしょうか。(戸田祥子)『スキマプロジェクト/日本橋室町・本町』とは?都市の構造を物理的、観念的な「スキマ」からとらえ、ビルの間のわずかな隙間(すきま)を作品発表の空間や作品そのものとして活用する試み。1999年に中村政人とコマンドNが実施した伝説的なプロジェクトで、今回は路地裏の鉢植えの隙間を縫うように、アーティスト9組の彫刻作品が鉢植えに「擬態」しながら、まちのスキマ空間を豊かに彩ります。協賛:三井不動産株式会社※本会場は無料で鑑賞可能です。[参加作家]戸田祥子東京都中央区日本橋本町1-4-5Open:日中

ミルク倉庫ザココナッツ《萬葉草奔 野不為馴(Plantation I)》

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ本作は、路地という存在そのものを小さな「鉢植え」へと転位させる試みです。下町の路地裏に潜む雑多な造形や重層的な時間を鉢として再編し、決して一元化されることのない都市の断面を浮かび上がらせます。鉢には、金継ぎ・鎹継ぎ・呼び継ぎといった異なる修復技法を交錯させ、陶片やコンクリート、石材、プラスチックなど多様な断片を縫合しています。こうした技法と素材の混淆は、複数の異文化や異時代を併置し、さらには、石畳やルーバーのリズムと変調や揺らぎ、高架下の陰影、建築を縁取る水切りなど、覇権的に規定された視覚秩序からこぼれ落ちてしまう都市の姿をも写し取ります。寄せ植えには、観賞用として輸入された外来種や在来種、その交配種、さらには雑草と呼ばれる植物までもが、競合関係の中でひとときの共生を見せ、馴致されることのない生きた路地裏の野生性を宿しています。(ミルク倉庫ザココナッツ)『スキマプロジェクト/日本橋室町・本町』とは?都市の構造を物理的、観念的な「スキマ」からとらえ、ビルの間のわずかな隙間(すきま)を作品発表の空間や作品そのものとして活用する試み。1999年に中村政人とコマンドNが実施した伝説的なプロジェクトで、今回は路地裏の鉢植えの隙間を縫うように、アーティスト9組の彫刻作品が鉢植えに「擬態」しながら、まちのスキマ空間を豊かに彩ります。協賛:三井不動産株式会社※本会場は無料で鑑賞可能です。[参加作家]ミルク倉庫ザココナッツ東京都中央区日本橋室町1-12Open:日中

片岡純也+岩竹理恵《呼吸する裏路地》

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレビルのすき間、植木鉢の葉が揺れ、線材が共振する。振動する輪郭が、見えない風の形をなぞり、都市の呼吸を知らせている。(片岡純也+岩竹理恵)『スキマプロジェクト/日本橋室町・本町』とは?都市の構造を物理的、観念的な「スキマ」からとらえ、ビルの間のわずかな隙間(すきま)を作品発表の空間や作品そのものとして活用する試み。1999年に中村政人とコマンドNが実施した伝説的なプロジェクトで、今回は路地裏の鉢植えの隙間を縫うように、アーティスト9組の彫刻作品が鉢植えに「擬態」しながら、まちのスキマ空間を豊かに彩ります。協賛:三井不動産株式会社※本会場は無料で鑑賞可能です。[参加作家]片岡純也+岩竹理恵東京都中央区日本橋室町1-12-13 日本橋ムロホンビルOpen:日中

6lines studio+塚本由晴《日本橋のイエハニワ》

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ都市開発により高層化する無色透明なビル群。街区内の路地に立つと、そこは相対的に低く、暗く、日本橋の街はまるで地の底に沈んだようだ。五街道の起点、人や物の集積地として町人長屋や露店、魚市場や倉庫などが立ち並び活気あふれる日本橋は、明治以降百貨店や銀行の進出により商業・金融地としても発展を続けた。しかし、関東大震災や東京大空襲を経て、高度経済成長期の首都高速の上空敷設など街の歴史的な佇まいは戦後大きく変化してきた。どの場所にも今に至るまでに辿ってきたそれぞれの経路があり、それなしで現在の姿を語ることはできない。かつて日本一と呼ばれたその街並みを見ることはもはや難しいが、江戸の地割が生み出した都市の隙間は今もぽっかりと存在し続け、それは人間の時間を超えて生き続けている。私たちは、かつて日本橋の街を構成した建物を形どった焼き物を製作し、街の様々な隙間に並べることで過去を想う。(6lines studio+塚本由晴)『スキマプロジェクト/日本橋室町・本町』とは?都市の構造を物理的、観念的な「スキマ」からとらえ、ビルの間のわずかな隙間(すきま)を作品発表の空間や作品そのものとして活用する試み。1999年に中村政人とコマンドNが実施した伝説的なプロジェクトで、今回は路地裏の鉢植えの隙間を縫うように、アーティスト9組の彫刻作品が鉢植えに「擬態」しながら、まちのスキマ空間を豊かに彩ります。協賛:三井不動産株式会社※本会場は無料で鑑賞可能です。[参加作家]6lines studio+塚本由晴東京都中央区日本橋本町1-4-13Open:日中

片岡純也+岩竹理恵《呼吸する裏路地》

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレビルのすき間、植木鉢の葉が揺れ、線材が共振する。振動する輪郭が、見えない風の形をなぞり、都市の呼吸を知らせている。(片岡純也+岩竹理恵)『スキマプロジェクト/日本橋室町・本町』とは?都市の構造を物理的、観念的な「スキマ」からとらえ、ビルの間のわずかな隙間(すきま)を作品発表の空間や作品そのものとして活用する試み。1999年に中村政人とコマンドNが実施した伝説的なプロジェクトで、今回は路地裏の鉢植えの隙間を縫うように、アーティスト9組の彫刻作品が鉢植えに「擬態」しながら、まちのスキマ空間を豊かに彩ります。協賛:三井不動産株式会社※本会場は無料で鑑賞可能です。[参加作家]片岡純也+岩竹理恵東京都中央区日本橋室町2-2-1Open:日中

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ビルの合間に隠された箒(ほうき)とチリトリ

東京ビエンナーレ考現学マップ《気配りで守る町の美観と繋がり》馬喰町はファッションの目利きと専門家の「一見さんお断り」のまちだ。商品が溢れる店舗の賑やかな様子に目を奪われたとき、足元と街並みに驚くほどゴミがないことに気づくだろう。ビルの合間に隠されたささやかな箒とチリトリには、みんなの街への気配りと誇りが溢れている。一方で箒とチリトリのない場所は、建物も道も人の繋がりを超えた規模の場所だと合点がいく。(黒石いずみ)『考現学マップ』とは?日本橋・馬喰町エリアと八重洲・京橋エリア内で、考現学の視点により江戸から現代までの生活者の痕跡を読み込み、ストーリーを紡ぐプロジェクト。考現学は「考古学」に対し、現在の人々の生活文化を調査・研究する学問で、建築学・民俗学研究者の今和次郎(1888–1973)により提唱されました。現代人の暮らしの観察、筆記、撮影等により対象を調査・分析する考現学は、後の生活学、風俗学、社会学の発展にも貢献。さらに美術家の赤瀬川原平や建築史家の藤森照信らによる「路上観察学会」の活動にも影響を与えました。今回は考現学研究の第一人者、黒石いずみ氏(福島学院大学教授)を中心に地域の人々と共に作成した考現学マップを制作。まちのディテール、人の動きを観察することにより、新たなレイヤーが浮かび上がります。 東京ビエンナーレ【馬喰町/考現学マップ】

台車の振る舞い:位置と動き

東京ビエンナーレ考現学マップ《問屋街の物流を担う台車》密集した問屋街の物流を担うのは台車だ。世界各地の商品が幹線道路で下ろされ、店頭で荷捌き後に運び込まれる。そしてバイヤーが集めた商品は、改めて各地に搬出される。道路際に置かれた大小の台車は、一時保管中かもしれず、そのふるまいは秩序を感じさせると共に問屋街の道の働きが多様なことを伝えている。細い路地と店内外を自由自在に走り抜け、街の鼓動を伝える多様な台車は自動車に支配されない都市の密度を感じさせる。(黒石いずみ)『考現学マップ』とは?日本橋・馬喰町エリアと八重洲・京橋エリア内で、考現学の視点により江戸から現代までの生活者の痕跡を読み込み、ストーリーを紡ぐプロジェクト。考現学は「考古学」に対し、現在の人々の生活文化を調査・研究する学問で、建築学・民俗学研究者の今和次郎(1888–1973)により提唱されました。現代人の暮らしの観察、筆記、撮影等により対象を調査・分析する考現学は、後の生活学、風俗学、社会学の発展にも貢献。さらに美術家の赤瀬川原平や建築史家の藤森照信らによる「路上観察学会」の活動にも影響を与えました。今回は考現学研究の第一人者、黒石いずみ氏(福島学院大学教授)を中心に地域の人々と共に作成した考現学マップを制作。まちのディテール、人の動きを観察することにより、新たなレイヤーが浮かび上がります。 東京ビエンナーレ【馬喰町/考現学マップ】

バイヤーの動線

東京ビエンナーレ考現学マップ《日本中からバイヤーが集まる》季節ごとに日本中からバイヤーが集まり、馬喰町の目利きたちが選りすぐった良質で流行の先端をいく洋服や小物を、各地の顧客のために買い集め、東京と地方を繋いでいく。馴染みの店や喫茶店で情報交換をするのも、この街を訪れる大事な目的だ。ファッションを支えるプロの目利きと店の展示品が発するメッセージのコミュニケーションが買い物途中の呟きに現れる。(黒石いずみ)『考現学マップ』とは?日本橋・馬喰町エリアと八重洲・京橋エリア内で、考現学の視点により江戸から現代までの生活者の痕跡を読み込み、ストーリーを紡ぐプロジェクト。考現学は「考古学」に対し、現在の人々の生活文化を調査・研究する学問で、建築学・民俗学研究者の今和次郎(1888–1973)により提唱されました。現代人の暮らしの観察、筆記、撮影等により対象を調査・分析する考現学は、後の生活学、風俗学、社会学の発展にも貢献。さらに美術家の赤瀬川原平や建築史家の藤森照信らによる「路上観察学会」の活動にも影響を与えました。今回は考現学研究の第一人者、黒石いずみ氏(福島学院大学教授)を中心に地域の人々と共に作成した考現学マップを制作。まちのディテール、人の動きを観察することにより、新たなレイヤーが浮かび上がります。 東京ビエンナーレ【馬喰町/考現学マップ】

浮世絵の顔

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浮世絵の顔

東京ビエンナーレ考現学マップ《町に漂う江戸の気配:錦絵・浮世絵の展示》江戸が車中心の近代都市東京に変貌した際に、三街道のひとつだった旧日光街道も何ヶ所も遮られ、地下道や迂回路が必要になるなど歩行者中心ではなくなった。しかし江戸の中心・日本の近代へとやむにやまれぬ思いで集まった多くの志士や文人、職人、商人や海外の知識人、絵描きや芸人が往来した道筋には、その気配が残っている。ふと見ると道筋の歴史的史跡の標識以外にも、店舗には江戸の景色や歌舞伎役者を描いた錦絵やその写しが掛けられており、人々が江戸文化の美しい断片をさりげなく愛でているのがわかる。(黒石いずみ)『考現学マップ』とは?日本橋・馬喰町エリアと八重洲・京橋エリア内で、考現学の視点により江戸から現代までの生活者の痕跡を読み込み、ストーリーを紡ぐプロジェクト。考現学は「考古学」に対し、現在の人々の生活文化を調査・研究する学問で、建築学・民俗学研究者の今和次郎(1888–1973)により提唱されました。現代人の暮らしの観察、筆記、撮影等により対象を調査・分析する考現学は、後の生活学、風俗学、社会学の発展にも貢献。さらに美術家の赤瀬川原平や建築史家の藤森照信らによる「路上観察学会」の活動にも影響を与えました。今回は考現学研究の第一人者、黒石いずみ氏(福島学院大学教授)を中心に地域の人々と共に作成した考現学マップを制作。まちのディテール、人の動きを観察することにより、新たなレイヤーが浮かび上がります。 東京ビエンナーレ【旧日光街道/考現学マップ】

鳥居

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鳥居

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ考現学マップ《地域の守り神》馬喰町から旧日光街道、人形町、室町、日本橋エリアは江戸城に直結した幕府の武士エリアとは異なる庶民的な地域だった。職人街の他に旧吉原や歌舞伎、浄瑠璃舞台など歓楽街も混在し、火事も絶えなかった。そのため多数の神社が町内ごとに存在している。火除けの緑地や寄り合いの場所、祭礼で商売繁盛と家内安全を互いに祈る仕組みがあった。歴史の継承という形苦しい感じより、今も吉田松陰の無念を鎮める祈りの場があり、鳥居の奥で狐や狛犬が人間の暮らしを横目で見て人々と交感する気配があるのもこの地域の特徴だ。(黒石いずみ)『考現学マップ』とは?日本橋・馬喰町エリアと八重洲・京橋エリア内で、考現学の視点により江戸から現代までの生活者の痕跡を読み込み、ストーリーを紡ぐプロジェクト。考現学は「考古学」に対し、現在の人々の生活文化を調査・研究する学問で、建築学・民俗学研究者の今和次郎(1888–1973)により提唱されました。現代人の暮らしの観察、筆記、撮影等により対象を調査・分析する考現学は、後の生活学、風俗学、社会学の発展にも貢献。さらに美術家の赤瀬川原平や建築史家の藤森照信らによる「路上観察学会」の活動にも影響を与えました。今回は考現学研究の第一人者、黒石いずみ氏(福島学院大学教授)を中心に地域の人々と共に作成した考現学マップを制作。まちのディテール、人の動きを観察することにより、新たなレイヤーが浮かび上がります。 東京ビエンナーレ【旧日光街道/考現学マップ】

高架や鉄橋に見るテクノ造形

東京ビエンナーレ考現学マップ《江戸から東京へ:高架や鉄橋に見るテクノ造形》開国以前から江戸周辺の水路沿いには、港湾業や運送業のために立派な橋脚を作る技術の粋が集まり、日本橋からの新しい鉄道と陸橋の周辺にはヨーロッパに見るような鋼鉄製の美しい造形が凝らされていた。今もお堀を跨ぐ陸橋の足元にはアールデコ風の装飾や、鋼鉄のグリッドやビスの幾何学的な美しさが散見される。お堀の上を行く高速道路が撤廃されるとき、そのシュールな高速道路のカーブやそれを支える高架橋は負の遺産として忘れられてしまうのだろうか。かつて技術者たちが知恵を凝らして作った、時代を超えていこうとするテクノ美のイメージが、確かに人々を高揚させたことは忘れないでいたい。(黒石いずみ)『考現学マップ』とは?日本橋・馬喰町エリアと八重洲・京橋エリア内で、考現学の視点により江戸から現代までの生活者の痕跡を読み込み、ストーリーを紡ぐプロジェクト。考現学は「考古学」に対し、現在の人々の生活文化を調査・研究する学問で、建築学・民俗学研究者の今和次郎(1888–1973)により提唱されました。現代人の暮らしの観察、筆記、撮影等により対象を調査・分析する考現学は、後の生活学、風俗学、社会学の発展にも貢献。さらに美術家の赤瀬川原平や建築史家の藤森照信らによる「路上観察学会」の活動にも影響を与えました。今回は考現学研究の第一人者、黒石いずみ氏(福島学院大学教授)を中心に地域の人々と共に作成した考現学マップを制作。まちのディテール、人の動きを観察することにより、新たなレイヤーが浮かび上がります。 東京ビエンナーレ【旧日光街道/考現学マップ】

Public ArtPublic Art

東京ビエンナーレ日本橋の麒麟像は、関東大震災にも戦火にも倒れることなく、百余年の時を超えて立ち続けてきた。1923年の関東大震災では、周囲が焼け落ちるなかでほとんど損傷を受けず、1945年の東京大空襲の際にも炎を免れた。多くの銅像が供出で姿を消すなか、「国の道の起点」を護る象徴として残されたのである。その堅牢さは、岡崎雪聲の精緻な鋳造技術と、渡辺長男の造形に宿る精神の強度の証である。戦後、都市の成長とともに日本橋の上空には首都高速道路が架けられ、麒麟の翼は再びコンクリートの影に覆われた。かつて空を仰ぎ、光を受けて輝いていたその背は、今では灰色の構造体の下で静かに時を見つめている。しかし、その沈黙は敗北ではなく、むしろ都市の記憶を抱く祈りのようなものである。震災にも戦禍にも屈せず、そして現代の喧噪の中でもなお、麒麟像は確かに呼吸している。やがて首都高速が地下へと移り、日本橋の空が再び開かれるとき、この麒麟像は再び青空を背に光を受けるだろう。その瞬間、百年を超えて耐え続けた翼は、ようやく本来の空を取り戻す。麒麟は、東京の基層文化を象徴する「ゲニウス・ロキ(土地の精霊)」として、これからも「日本の道のはじまり」に立ち続けるのである。(中村政人)所在地:東京都中央区日本橋1丁目から日本橋室町1丁目

東京ビエンナーレ東京メトロ半蔵門線「三越前」駅のホームには、猪熊源一郎による壁画が設置されている。JR「上野」駅正面改札にある《自由》の壁画は広く知られているが、「三越前」にも作品が存在することはあまり知られていない。1989年1月、36面からなる抽象絵画が連続的にホーム壁面に設置された。アンリ・マティスに直接指導を受けた経験をもつ猪熊は、その影響を感じさせるように、切り絵のような自由な形態によって画面を構成している。そこでは形が具象的なイメージに回収されることなく、自在に切り取られ、純粋な造形としての自立を獲得している。抽象表現の難しさは、形がどのようにして意味や対象を離れ、純粋な形象として立ち上がるかにある。猪熊のこの作品群は、何かを説明したり象徴したりするのではなく、視覚的なリズムと構成の力によって、非言語的な美の領域を提示している。また、ホームという横に長い空間において、どの位置から眺めても自然に視界に入り込み、過度に主張することのない設計的配慮が見て取れる。通行者の視線の流れや移動のリズムに寄り添うように構成されており、公共空間における芸術のあり方を静かに体現している。「上野」駅の《自由》が、東北への玄関口として各地の風土や人々を象徴的に描いた具象的作品であるのに対し、「三越前」の壁画は全く異なる方向性を示す。そこには、地域性や都市的アイデンティティをあえて記号化しないという思想がある。東京という都市の複雑で多層的な表情を、抽象という形式を通して「創造の街」として描き出す、猪熊源一郎の成熟した芸術観が表れている。(中村政人)所在地:東京メトロ半蔵門線「三越前」駅ホーム(東京都中央区日本橋室町1-8-1)

東京ビエンナーレ広々としたエントランスに差し込む自然光の中で、田中信之の作品《Flow》は、空間を切り開くように存在している。これほど大きなスケールで、伝統的な乾漆技法によって制作された彫刻作品は極めて稀である。作品名《Flow》は「流れ」を意味し、漆という有機的な素材が時間の経過とともに硬化し、形を得ていく過程を象徴している。同時に、都市を行き交う人々の動きや、光と影の移ろい、日々変化する環境のリズムまでも包み込む概念でもある。このエントランス空間では、作品が来訪者の歩みに合わせて視界に流れ込み、まるで時間の層が可視化されるような感覚を生み出している。田中は漆を「光と時間を包み込む皮膜」として捉えている。漆という生命的素材が何層にも重なり構造化されることで、時間の深みが作品に宿る。塗りと研ぎを幾度も繰り返して生まれる漆面は、光を受けるたびに異なる表情を見せ、見る者の位置や時間帯によって変化する。黒漆の光は都市の光や人の気配を取り込み、作品自体が呼吸しているかのような存在感を放っている。(中村政人)所在地:東京都中央区日本橋室町3-2 日本橋室町三井タワー

Yaesu/Kyobashi AreaYaesu/Kyobashi Area

Yaesu/Kyobashi Area

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Yaesu/Kyobashi Area More Tokyo Station is known as the gateway to Tokyo, where many different people come and go. A dynamic and detailed painting by Shun Yonaha will appear at the Yaesu Exit/North Exit (in front of the entrance to Daimaru Tokyo). Nearby, Kyobashi is known as a business district as well as a distinct antique and art district. Around the Artizon Museum, sound artist Akio Suzuki will carry out his signature o to da te project.* Like the "nodate" tea ceremony, he will select outdoor spots where you can listen carefully and open up your senses. *Akio Suzuki’s "o to da te" will also be set up in other areas.