東京ビエンナーレ2025 全体マップ

東京のまちを舞台に開催される国際芸術祭「東京ビエンナーレ2025」のオンラインマップです。今回のテーマは「いっしょに散歩しませんか?」とし、まちを歩く芸術祭としての魅力を探究します。ぜひ芸術祭を歩いて楽しむ際のお供に、このマップをご活用ください。 2025年10月17日(金)〜 12月14日(日) *一部会場は会期が異なります。個々のスポット情報をご確認ください。 イラスト:高橋和暉 芸術祭詳細:<a href="https://tokyobiennale.jp/" target="_blank">https://tokyobiennale.jp/</a>
すべてのスポット情報
64件のスポット
パブリックアート
《首都高速道路 鍛治橋換気所》
パブリックアート

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ地下を走る首都高速道路。その空気を地上へと導くために設けられたのが、この「鍛冶橋換気所」である。本来は機能的な装置にすぎないが、アルミ素材の無垢な質感と円柱形のシルエットをもつその姿は、都市のなかでひとつの彫刻的存在として見えてくる。周囲のビル群との調和を意識した設計であることは明らかだが、そのミニマルでストイックな佇まいには、都市の垂直性を素直に受け止める誠実さがある。高層化が進む市街地において、無言のまま垂直方向のスケール感を可視化するこの塔は、構造と環境の間に成立するデザインのあり方を静かに示している。同種の換気塔は都内各所に見られる。いずれも煙突的な構造を共有しながら、設置環境に応じてそれぞれ異なる表情をもつ。それらはまるで、都市という生態系の中に自生する人工的植物のようであり、機能を基点としながらも、環境と調和する造形へと進化した存在といえる。思い起こせば、福島第一原子力発電所の建屋が世界的に注目を集めた際、空色をまとい、鳥が舞うようなデザインが施されていた。工場の煙突や排気塔など、空気を高所に放出する構造物が多くの社会に共通して見られるのは、人間の身体スケールを超え、より大きな環境単位と関わろうとする意識の表れであろう。ビルそのものを彫刻作品として捉えることもできなくなないが、機能が全面に出る建築は、造形そのものを純粋に鑑賞することには距離がある。しかし、この換気塔のように、機能が抑制され、造形的な秩序だけが前景化した存在に目を向けるとき、そこには“アートとデザインの境界”を探る視点が生まれる。機能のために生まれながら、造形としての自立を果たしている。鍛冶橋換気所は、機能が隠れストイックなプライマリーストラクチャーをコンセプトとしたアートの文脈で読みとっても鑑賞が楽しくなるだろう。(中村政人)所在地:東京都千代田区丸の内1-11-6
展示会場
《看板建築》神谷氷店
展示会場

東京ビエンナーレ※本会場は無料で鑑賞可能です。[参加作家]黒川 岳東京都千代田区神田須田町2-1-7アクセス:都営新宿線「岩本町駅」A1出口より徒歩7分、東京メトロ「淡路町駅」A1出口より徒歩8分、JR「秋葉原駅」5番出口より徒歩9分Open:11:30-16:30Closed:月・火・水経路を探す(Google Maps)
《看板建築》海老原商店
展示会場

東京ビエンナーレ※本会場は無料で鑑賞可能です。[参加作家]Tenthaus Art Collective and the Oven Network東京都千代田区神田須田町2-13-5アクセス:都営新宿線「岩本町駅」A6出口より徒歩2分、JR「秋葉原駅」昭和通り口より徒歩4分Open:11:30-16:30Closed:月・火・水経路を探す(Google Maps)

東京ビエンナーレ協賛:三菱地所株式会社※本会場は無料で鑑賞可能です。※公開制作は毎週水曜12:00-16:00実施予定。[参加作家]佐藤直樹東京都千代田区大手町1-1-1 大手町パークビルアクセス:東京メトロ丸ノ内線、千代田線、半蔵門線、東西線、都営三田線「大手町駅」C6a出口直結Open:7:00~21:00Closed :土・日・祝※12月12日(金)が展示最終日となります。経路を探す(Google Maps)

東京ビエンナーレ協賛:三菱地所株式会社※本会場は無料で鑑賞可能です。[参加作家]佐藤直樹東京都千代田区丸の内1Open:通路開放時間※12月12日(金)が展示最終日となります。経路を探す(Google Maps)
大手町ファーストスクエア
展示会場

東京ビエンナーレ協賛:三菱地所株式会社協力:株式会社大手町ファーストスクエア、NTT東日本※本会場は無料で鑑賞可能です。[参加作家]大内 風東京都千代田区大手町1-5-1アクセス:東京メトロ丸ノ内線、千代田線、半蔵門線、東西線、都営三田線「大手町駅」C8・C11・C12出口直結、JR「東京駅」丸の内北口より徒歩5分Open :日中経路を探す(Google Maps)
エトワール海渡リビング館
展示会場

東京ビエンナーレファッション衣料から雑貨、食品に至るまで幅広い商材を揃える創業123年の老舗問屋、総合卸商社エトワール海渡のリビング館が展示会場に。6フロアで作品展示を行う。特別協力:エトワール海渡※本会場には拠点会場鑑賞チケット(有料)が必要です。[参加作家]L PACK.、窪田望、グエン・フォン・リン/チュオン・クエ・チー(ベトナム)、ピョトル・ブヤク(ポーランド)、渡辺英司ーーーーーーーーー『Tokyo Perspective』片山真理、SIDE CORE、鈴木理策、豊嶋康子、中村政人、畠山直哉、港千尋ーーーーーーーーー『海外アーティスト公募プロジェクト 「SOCIAL DIVE」』ナラカ・ウィジェワルダネ(スリランカ)、カミラ・スヴェンソン(ブラジル)、マリアム・トヴマシアン(アルメニア)、アダム・ロイガート(スウェーデン)、エルケ・ラインフーバー(ドイツ)ーーーーーーーーー『「点 音(おとだて)」in 東京ビエンナーレ 2025』鈴木昭男(エトワール海渡リビング館周辺)東京都千代田区東神田1-15-15アクセス:JR総武線「馬喰町駅」4番出口より徒歩2分、都営新宿線「馬喰横山駅」A1出口より徒歩6分Open:11:30-18:00/金のみ11:30-19:00Closed:月・火経路を探す(Google Maps)
東京ドームシティ 水景エリア
展示会場

東京ビエンナーレ事業パートナー:株式会社東京ドーム※本会場は無料で鑑賞可能です。[参加作家]ホガリー(Hogalee)東京都文京区後楽1-3-61東京ドームシティ内(複合施設「ミーツポート」と東京ドームホテル間の水景エリア)アクセス:JR「水道橋駅」西口より徒歩5分、都営地下鉄三田線「水道橋駅」A2出口より徒歩6分経路を探す(Google Maps)

東京ビエンナーレ事業パートナー:株式会社東京ドーム※本会場は無料で鑑賞可能です。[参加作家]村山悟朗東京都文京区後楽1-3-61東京ドームシティ内(セントラルパークにて、芝生広場を囲む長さ100m超の「パークリボンビジョン」)アクセス:JR「水道橋駅」西口より徒歩5分、都営地下鉄三田線「水道橋駅」A2出口より徒歩6分Open:7:30-22:59(村山悟朗作品/毎時00分、30分に30秒放映)経路を探す(Google Maps)

東京ビエンナーレ江⼾時代に創建され、2025年に400周年を迎える「東叡⼭ 寛永寺」。東京ビエンナーレ2025では、寛永寺本堂に加え、開⼭堂両大師、不忍池辯天堂も展示会場に。特別協力:東叡山 寛永寺※本会場には拠点会場鑑賞チケット(有料)が必要です。[参加作家]小瀬村真美、藤原信幸、森 淳一東京都台東区上野桜木1-14-11アクセス:JR「鶯谷駅」から徒歩約7分、JR「上野駅」から徒歩約15分Open:11:30-16:30Closed:月・火経路を探す(Google Maps)

東京ビエンナーレ協賛:株式会社大丸松坂屋百貨店※本会場は無料で鑑賞可能です。[参加作家]鈴木昭男(3階3箇所、8階1箇所)東京都台東区上野3-29-5 松坂屋 上野店 本館アクセス:東京メトロ丸ノ内線、千代田線、半蔵門線、東西線、都営三田線「大手町駅」C6a出口直結Open:10:00-20:00経路を探す(Google Maps)
東京駅八重洲北口大丸東京店前
展示会場

東京ビエンナーレ協賛:株式会社大丸松坂屋百貨店協力:東日本旅客鉄道株式会社※本会場は無料で鑑賞可能です。[参加作家]与那覇 俊東京都千代田区丸の内1-9-1アクセス:JR「東京駅」八重洲北口改札出てすぐOpen:日中経路を探す(Google Maps)

東京ビエンナーレ特別助成:公益財団法人石橋財団※本会場は無料で鑑賞可能です。[参加作家]鈴木昭男(4箇所)東京都中央区京橋1-7-1アクセス:JR「東京駅」八重洲中央口より徒歩5分、東京メトロ銀座線「京橋駅」6番出口より徒歩2分、東京メトロ銀座線・東西線・都営浅草線「日本橋駅」B1出口より徒歩5分、都営浅草線「宝町駅」A5出口より徒歩6分Open:日中経路を探す(Google Maps)
東叡山 寛永寺 根本中堂前
展示会場

東京ビエンナーレ特別協力:東叡山 寛永寺※本会場は無料で鑑賞可能です。[参加作家]黒川 岳、鈴木昭男東京都台東区上野桜木1-14-11アクセス:JR「鶯谷駅」から徒歩約7分、JR「上野駅」から徒歩約15分Open:9:00-17:00経路を探す(Google Maps)
東叡山 寛永寺 不忍池瓣天堂
展示会場

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ特別協力:東叡山 寛永寺※本会場は無料で鑑賞可能です。[参加作家]鈴木昭男(2箇所)東京都台東区上野公園2-1アクセス:JR「上野駅」から徒歩約5分Open:9:00-17:00経路を探す(Google Maps)
《看板建築》角地梱包
展示会場

東京ビエンナーレ※本会場は無料で鑑賞可能です。[参加作家]秋山珠里東京都千代田区神田須田町1-22-2アクセス:東京メトロ・JR「神田駅」4番出口より徒歩2分、東京メトロ「淡路町駅」A1出口より徒歩7分、都営新宿線「小川町駅」A1出口より徒歩7分Open:11:30-16:30Closed:月・火・水経路を探す(Google Maps)
大手町・丸の内・有楽町アートマップ
写真プロジェクト「Tokyo Perspective」
《TOKYO PERSPECTIVE》鈴木理策(撮影場所)
写真プロジェクト「Tokyo Perspective」

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《日本橋・北を望む》(シリーズ〈解像度について〉より)東京の写真は東京生まれの人が撮ったものが面白い、と学生の頃に聞いたことがある。変わってしまった風景に撮影者が思い出を投影するからだろうか。他所で生まれた人よりもシャッターを押す理由が多くあるということなのか。写真の作業を「撮影」と「撮影の後で撮った写真を見ること」に分けて考えてみる。出来上がった写真を見る時、そこに撮った理由が表れていると、撮影者の思い出や感情を想像し、気持ちを重ねることができる。写真は、実際にシャッターを押した時に生まれるのではなく、もっと遡った時間、撮影者の過去の経験や記憶から生まれる場合も多い。複層的な時間をそなえていることは写真の魅力のひとつだと思う。では撮られた写真からは何が生まれるか? そこから始めることはできないかと考えた。対象とカメラの距離が写真の種類を決定することは経験上心得ている。だが手法が導く効果の道すじから離れて、東京を撮影してみたいと考えた。(鈴木理策)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。
《TOKYO PERSPECTIVE》豊嶋康子(撮影場所)
写真プロジェクト「Tokyo Perspective」

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《Backshift 2015〜2025(アガタ竹澤ビル)》(シリーズ〈Backshift 2025〉より)「東京ビエンナーレ2025」の開催エリアには、過去に私が個展をした場所が複数含まれている。「犯人は現場に戻る」という俗説に沿うかのような、あるいは帰巣本能に促されるような気持ちで、しばらく行くことがなかったその場所を訪ねてみる。かつて短期間だったが自分の作品を置いた記憶は鮮明で、まだその時のストレスは続いている。当時は作品を展示する空間になるべく、壁を塗り、照明に苦心した小さな経験の場だったが、今は建物や土地という不動産としての別の相がみえる。いつその場と関わったかということ、そして今回もその場を見にいったということ。この空間に個人的に関わる2点の事実を、時間軸を通して文章のように結びつけるために撮影という方法を選んだ。建物は35年前と変わらずにある場合もあれば、すでに取り壊されて駐車場になっている場合もある。共通していたのは、当時の関係者は現在その住所にはいないということである。(豊嶋康子)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。
《TOKYO PERSPECTIVE》鈴木理策(撮影場所)
写真プロジェクト「Tokyo Perspective」

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《台東区谷中2丁目付近》(シリーズ〈解像度について〉より)東京の写真は東京生まれの人が撮ったものが面白い、と学生の頃に聞いたことがある。変わってしまった風景に撮影者が思い出を投影するからだろうか。他所で生まれた人よりもシャッターを押す理由が多くあるということなのか。写真の作業を「撮影」と「撮影の後で撮った写真を見ること」に分けて考えてみる。出来上がった写真を見る時、そこに撮った理由が表れていると、撮影者の思い出や感情を想像し、気持ちを重ねることができる。写真は、実際にシャッターを押した時に生まれるのではなく、もっと遡った時間、撮影者の過去の経験や記憶から生まれる場合も多い。複層的な時間をそなえていることは写真の魅力のひとつだと思う。では撮られた写真からは何が生まれるか? そこから始めることはできないかと考えた。対象とカメラの距離が写真の種類を決定することは経験上心得ている。だが手法が導く効果の道すじから離れて、東京を撮影してみたいと考えた。(鈴木理策)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。
《TOKYO PERSPECTIVE》港千尋(撮影場所)
写真プロジェクト「Tokyo Perspective」

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《UR2L001》(シリーズ〈URBAN RITUAL /Tokyo2025〉より)東京は巨大都市(メガシティ)という形容が定着して久しい。「1000万都市」東京は1950年代にニューヨークを抜いて世界一となり、64年には2000万人を、85年に3000万人を突破、2020年にはついに4000万人を超えて世界一を突き進んでいるという。行政区をまたいで延伸する都市圏は衛星画像からも確認できる。統計上の数字とはいえ驚くべきことだが、そこに住んでいる住民に「世界一」の実感があるのかどうかはわからない。人口密度が連続する集積地域 (urban agglomeration) の内側は不均質な「地元」の積み重ねではないだろうか。そんな「町」の一角を切り取りつなげて連続性のパターンを作ってみる。不均質な都市から取り出す地元文様の試み。今回は東京ビエンナーレが繰り広げられる神田川沿いの高低差を含んだ地形と、そこを通る動脈である電車をモチーフにした。庶民の遊び心が生んだ江戸小紋ではないけれど、メガシティならではの文様と言えるかもしれない。(港 千尋)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。
《TOKYO PERSPECTIVE》豊嶋康子
写真プロジェクト「Tokyo Perspective」

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ《Backshift 1990〜2025(聖徳ビル)》(シリーズ〈Backshift 2025〉より)「東京ビエンナーレ2025」の開催エリアには、過去に私が個展をした場所が複数含まれている。「犯人は現場に戻る」という俗説に沿うかのような、あるいは帰巣本能に促されるような気持ちで、しばらく行くことがなかったその場所を訪ねてみる。かつて短期間だったが自分の作品を置いた記憶は鮮明で、まだその時のストレスは続いている。当時は作品を展示する空間になるべく、壁を塗り、照明に苦心した小さな経験の場だったが、今は建物や土地という不動産としての別の相がみえる。いつその場と関わったかということ、そして今回もその場を見にいったということ。この空間に個人的に関わる2点の事実を、時間軸を通して文章のように結びつけるために撮影という方法を選んだ。建物は35年前と変わらずにある場合もあれば、すでに取り壊されて駐車場になっている場合もある。共通していたのは、当時の関係者は現在その住所にはいないということである。(豊嶋康子)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。
《TOKYO PERSPECTIVE》豊嶋康子(撮影場所)
写真プロジェクト「Tokyo Perspective」

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《Backshift 2016〜2025 (ちよだアートスクエア 旧練成中学校)》(シリーズ〈Backshift 2025〉より)「東京ビエンナーレ2025」の開催エリアには、過去に私が個展をした場所が複数含まれている。「犯人は現場に戻る」という俗説に沿うかのような、あるいは帰巣本能に促されるような気持ちで、しばらく行くことがなかったその場所を訪ねてみる。かつて短期間だったが自分の作品を置いた記憶は鮮明で、まだその時のストレスは続いている。当時は作品を展示する空間になるべく、壁を塗り、照明に苦心した小さな経験の場だったが、今は建物や土地という不動産としての別の相がみえる。いつその場と関わったかということ、そして今回もその場を見にいったということ。この空間に個人的に関わる2点の事実を、時間軸を通して文章のように結びつけるために撮影という方法を選んだ。建物は35年前と変わらずにある場合もあれば、すでに取り壊されて駐車場になっている場合もある。共通していたのは、当時の関係者は現在その住所にはいないということである。(豊嶋康子)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。
《TOKYO PERSPECTIVE》SIDE CORE(撮影場所)
写真プロジェクト「Tokyo Perspective」

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《somebody's cloud》(シリーズ〈Tunderpass poem〉より)昔、神田に住んでいました。よく散歩をしていましたが、気になるけれどあえて立ち止まって見ることがなかった場所があります。それが首都高上野1号線の高架下です。首都高1号羽田線の歴史は古く、高架下のガードレールや柱に排気ガスのススが長年降り積もって、真っ黒になっています。最近の車はそんなに多くの排気ガスを排出しないので、今となってはただ汚い高架下に歴史を感じてしまいます。また場所によっては誰かが指で書いた落書きがちらほらと点在していて、渋滞時よくそれを眺めていました。意味不明な落書きが多いのですが、よく見れば中央分離帯など人が歩かない場所にかかれているものもあり、意外な作為性があります。今回、久しぶりに神田を訪れて散歩をしたとき、私たちもススを指で拭って詩を描いてみました。一見簡単そうに見えるのですが降り積もったススが固まっていて、一本の線を引くことすら難しく、手も服も真っ黒になりました。触れてみて初めてわかる街の姿があるのだと思います。もし、場所を探しに散歩してもらえるのであれば、皆さんもぜび触ってみてください。(SIDE CORE)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。
《TOKYO PERSPECTIVE》港千尋(撮影場所)
写真プロジェクト「Tokyo Perspective」

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《UR2L002》(シリーズ〈URBAN RITUAL /Tokyo2025〉より)東京は巨大都市(ルビ:メガシティ)という形容が定着して久しい。「1000万都市」東京は1950年代にニューヨークを抜いて世界一となり、64年には2000万人を、85年に3000万人を突破、2020年にはついに4000万人を超えて世界一を突き進んでいるという。行政区をまたいで延伸する都市圏は衛星画像からも確認できる。統計上の数字とはいえ驚くべきことだが、そこに住んでいる住民に「世界一」の実感があるのかどうかはわからない。人口密度が連続する集積地域 (urban agglomeration) の内側は不均質な「地元」の積み重ねではないだろうか。そんな「町」の一角を切り取りつなげて連続性のパターンを作ってみる。不均質な都市から取り出す地元文様の試み。今回は東京ビエンナーレが繰り広げられる神田川沿いの高低差を含んだ地形と、そこを通る動脈である電車をモチーフにした。庶民の遊び心が生んだ江戸小紋ではないけれど、メガシティならではの文様と言えるかもしれない。(港 千尋)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。
《TOKYO PERSPECTIVE》畠山直哉(撮影場所)
写真プロジェクト「Tokyo Perspective」

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《文京区本郷》(シリーズ〈本郷菊坂界隈〉より)「散歩」電車に遅れまいと急いだり、スマホ片手にスーパーに向かったりしている時、僕たちは自分が「歩いている」ということを忘れて歩いている。周りのことも最小限しか見えていない。いっぽうで、自分が「歩いている」ことが、よく意識される場合がある。脚が痛くなったとか道に迷ったとか、不測の原因によることが多いが、時にはそれに伴って「なんで歩いてるんだっけ?」とか「歩いてるって、どゆこと?」などという、普段とは異なる疑問が湧いてきたりもする。「散歩」とはたんに歩くことではなく、そのような「歩いている」状態に、自らの身をあえて置くことである。散歩の魅力は「歩いている」状態がもたらす刻一刻の、知覚経験の豊富さの中にこそある。散歩のあいだ、目に映るものは分け隔てなく、しかも普段とは異なる説得力をもって迫ってくる。僕たちは現実空間の中を、現象学的と呼んでもよいくらいの濃密な知覚や身体意識と共に歩くのだ。まるで水の中を泳ぐようにして。(畠山直哉)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。
《TOKYO PERSPECTIVE》SIDE CORE(撮影場所)
写真プロジェクト「Tokyo Perspective」

東京ビエンナーレ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。《Invisible people》(シリーズ〈Tunderpass poem〉より)昔、神田に住んでいました。よく散歩をしていましたが、気になるけれどあえて立ち止まって見ることがなかった場所があります。それが首都高上野1号線の高架下です。首都高1号羽田線の歴史は古く、高架下のガードレールや柱に排気ガスのススが長年降り積もって、真っ黒になっています。最近の車はそんなに多くの排気ガスを排出しないので、今となってはただ汚い高架下に歴史を感じてしまいます。また場所によっては誰かが指で書いた落書きがちらほらと点在していて、渋滞時よくそれを眺めていました。意味不明な落書きが多いのですが、よく見れば中央分離帯など人が歩かない場所にかかれているものもあり、意外な作為性があります。今回、久しぶりに神田を訪れて散歩をしたとき、私たちもススを指で拭って詩を描いてみました。一見簡単そうに見えるのですが降り積もったススが固まっていて、一本の線を引くことすら難しく、手も服も真っ黒になりました。触れてみて初めてわかる街の姿があるのだと思います。もし、場所を探しに散歩してもらえるのであれば、皆さんもぜび触ってみてください。(SIDE CORE)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。
《TOKYO PERSPECTIVE》鈴木理策(撮影場所)
写真プロジェクト「Tokyo Perspective」

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《台東区谷中6丁目付近》(シリーズ〈解像度について〉より)東京の写真は東京生まれの人が撮ったものが面白い、と学生の頃に聞いたことがある。変わってしまった風景に撮影者が思い出を投影するからだろうか。他所で生まれた人よりもシャッターを押す理由が多くあるということなのか。写真の作業を「撮影」と「撮影の後で撮った写真を見ること」に分けて考えてみる。出来上がった写真を見る時、そこに撮った理由が表れていると、撮影者の思い出や感情を想像し、気持ちを重ねることができる。写真は、実際にシャッターを押した時に生まれるのではなく、もっと遡った時間、撮影者の過去の経験や記憶から生まれる場合も多い。複層的な時間をそなえていることは写真の魅力のひとつだと思う。では撮られた写真からは何が生まれるか? そこから始めることはできないかと考えた。対象とカメラの距離が写真の種類を決定することは経験上心得ている。だが手法が導く効果の道すじから離れて、東京を撮影してみたいと考えた。(鈴木理策)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。
《TOKYO PERSPECTIVE》畠山直哉(撮影場所)
写真プロジェクト「Tokyo Perspective」

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《本郷5丁目辺り》(シリーズ〈本郷菊坂界隈〉より)「散歩」電車に遅れまいと急いだり、スマホ片手にスーパーに向かったりしている時、僕たちは自分が「歩いている」ということを忘れて歩いている。周りのことも最小限しか見えていない。いっぽうで、自分が「歩いている」ことが、よく意識される場合がある。脚が痛くなったとか道に迷ったとか、不測の原因によることが多いが、時にはそれに伴って「なんで歩いてるんだっけ?」とか「歩いてるって、どゆこと?」などという、普段とは異なる疑問が湧いてきたりもする。「散歩」とはたんに歩くことではなく、そのような「歩いている」状態に、自らの身をあえて置くことである。散歩の魅力は「歩いている」状態がもたらす刻一刻の、知覚経験の豊富さの中にこそある。散歩のあいだ、目に映るものは分け隔てなく、しかも普段とは異なる説得力をもって迫ってくる。僕たちは現実空間の中を、現象学的と呼んでもよいくらいの濃密な知覚や身体意識と共に歩くのだ。まるで水の中を泳ぐようにして。(畠山直哉)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。
《TOKYO PERSPECTIVE》中村政人(撮影場所)
写真プロジェクト「Tokyo Perspective」

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《イエロー/優美堂の裏富士2025》撮影場所:神田小川町2-4 優美堂の3階テラスから撮影靖国通りに面して描かれた大きな富士山は、都市の風景に向けられた「表の富士山」である。戦後、焼け野原となった東京に再び掲げられたこの富士は、都市の再生と希望の記号であり、行き交う人々に安心と誇りを与えた。富士山という自然の象徴を人工のファサードに描くことは、失われた自然と人間の再接続を願う都市的祈りでもあった。一方、優美堂の3階から見える「裏の富士」は、外には見えないもうひとつの富士である。それは店主や家族、あるいは建物の内側で暮らす人々が日常の中で静かに見つめていた風景であった。この「裏の富士」は、通りに向けられた希望や象徴性とは異なり、内なる祈りや記憶の層を感じさせる。「外に見せる富士」と「内に秘める富士」が共存していたことは、優美堂という建物そのものが、社会と個人、外界と内面、都市と生活の二重構造を体現していたことを意味している。一方は公の視線に開かれ、もう一方は私的な感情に寄り添う。それぞれが、戦後の日本の都市における「再生」と「鎮魂」または「心の回復」の両輪だったのかもしれない。 東京ビエンナーレで再生された優美堂において、画家OJUNによる現代の富士が描かれた事と新たに生まれたコミュニティで運カフェやレジデンスを運営してきたアートプロジェクトは、まさにこの二重の風景を現代に継ぐ表現だったと言える。靖国通りから見える富士山の絵と、優美堂3階から見える裏富士の絵――それは表裏でありながら、同じ心の中に映る二つの風景。一つは都市の空に開かれ、もう一つは人の心の奥に沈む。その両方があってこそ、東京という街の東京という街の「記憶を宿す風景」は成り立っている。優美堂は、その二つの風景の記憶を静かに抱きながら、残り少ない時間を生きている。(中村政人)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。
《TOKYO PERSPECTIVE》中村政人(撮影場所)
写真プロジェクト「Tokyo Perspective」

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《イエロー/東京藝大絵画棟7階研究室》撮影場所:東京藝大絵画棟7階中村研究室から撮影東京藝術大学の絵画棟7階に、私の研究室がある。室内には観葉植物があり、ある日、落ち葉が自然に窓際にあり、私はそこに黄色いボールをそっと置き、ひとつの風景として撮影した。上野公園は、もとは徳川家の菩提寺・寛永寺の境内として江戸の宗教的中心を担っていたが、明治維新後の上野戦争で焼失し、明治政府によって日本初の公園として再生された。宗教空間から近代国家の公共文化空間へと転換したこの地は、博覧会や博物館、美術館が建ち並ぶ「上野文化の杜」として、近代日本の知と芸術の象徴となった。東京藝術大学もその延長線上に位置づけられ、まもなく開校150年を迎える。私見だが、かつての美術学校が平屋や中庭を中心とした「地に根ざす学びの場」であったのに対し、現在の絵画棟は8階建ての垂直型アトリエとして、都市の限られた空間の中で創造を積み上げるような構造を持つ。それは、密集し多層的で断片的な視覚環境の中から新たな感覚を生み出す、現代都市・東京における芸術のあり方を象徴しているようでもある。藝大の校門をくぐるとき、いつも少しの緊張感が生まれる。しかし、絵画棟の研究室に入り、窓の外に広がる上野公園と東京の風景を見渡すと、心がひらくと同時に、その緊張に向き合うような表現への意欲が湧いてくる。この風景が形成されてきた歴史を思うと、数え切れない先人たちのエネルギーが東京という都市を創りだしてきており、破壊と創造を繰り返しながら生まれ続けるその風景への不安と敬意が混ざりあう複雑な気持ちになる。そして、その一端に自らが立ちあうことの憂いと覚悟のような意欲を込めて、私は黄色いボールを置いた。(中村政人)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。
《TOKYO PERSPECTIVE》中村政人(撮影場所)
写真プロジェクト「Tokyo Perspective」

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《イエロー/優美堂2025》撮影場所:神田小川町2-4 優美堂を靖国通り挟んだ向かいのビルから撮影。額縁の製造・販売を行っていた神田小川町の「優美堂」。地下には防空壕があることから、戦時中にはすでに建てられていたと考えられる。当初の写真を見ると、店舗は現在の半分ほどの規模で、富士山の看板も小さかった。その後、隣の二軒が一つになり、現在の店舗となるとともに、富士山の看板も大きくなった。第二次世界大戦で東京の街が焼け野原となった中、優美堂が掲げた大きな富士山の絵は、街を行く人々に東京再生への勇気や元気を与えようとする想いの表れだったのではないだろうか。店主の三澤さんは、この優美堂を神田の誇りとして守りながら家族を育て、地域の文化を牽引してきた。やがて、老朽化した優美堂を解体する前に、「一時的でもいいから、三澤さんの家族や神田の基層文化を感じ取れる場として再生させたい」という思いから、コミュニティスペースとしての再生プロジェクトが始まった。ボランティア有志による建築改修は2020年にスタートし、コロナ禍を経て2021年の東京ビエンナーレのオープンに合わせて完成。一階はカフェ&ギャラリー、二階はスタジオ兼レジデンスとしてよみがえった。富士山の絵については、当初のように銭湯画風に再現する案もあったが、最終的には「現代の富士山」として画家・OJUNさんに原画を依頼した。ビルの狭間にぽつんと残る一軒家となった優美堂だが、5年の契約期間がまもなく終わり、いずれビルへと建て替えられる予定だ。それでも、この場所を通じて多くの人々とともに創り上げてきた時間と想いを胸に、優美堂の歴史への敬意を込めてシャッターを切った。(中村政人)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。
《TOKYO PERSPECTIVE》豊嶋康子(撮影場所)
写真プロジェクト「Tokyo Perspective」

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《Backshift 1992〜2025,1997〜2025, 2000〜2025(日本橋秋山ビル)》(シリーズ〈Backshift 2025〉より)「東京ビエンナーレ2025」の開催エリアには、過去に私が個展をした場所が複数含まれている。「犯人は現場に戻る」という俗説に沿うかのような、あるいは帰巣本能に促されるような気持ちで、しばらく行くことがなかったその場所を訪ねてみる。かつて短期間だったが自分の作品を置いた記憶は鮮明で、まだその時のストレスは続いている。当時は作品を展示する空間になるべく、壁を塗り、照明に苦心した小さな経験の場だったが、今は建物や土地という不動産としての別の相がみえる。いつその場と関わったかということ、そして今回もその場を見にいったということ。この空間に個人的に関わる2点の事実を、時間軸を通して文章のように結びつけるために撮影という方法を選んだ。建物は35年前と変わらずにある場合もあれば、すでに取り壊されて駐車場になっている場合もある。共通していたのは、当時の関係者は現在その住所にはいないということである。(豊嶋康子)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。
《TOKYO PERSPECTIVE》畠山直哉
写真プロジェクト「Tokyo Perspective」

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ《文京区本郷》(シリーズ〈本郷菊坂界隈〉より)「散歩」電車に遅れまいと急いだり、スマホ片手にスーパーに向かったりしている時、僕たちは自分が「歩いている」ということを忘れて歩いている。周りのことも最小限しか見えていない。いっぽうで、自分が「歩いている」ことが、よく意識される場合がある。脚が痛くなったとか道に迷ったとか、不測の原因によることが多いが、時にはそれに伴って「なんで歩いてるんだっけ?」とか「歩いてるって、どゆこと?」などという、普段とは異なる疑問が湧いてきたりもする。「散歩」とはたんに歩くことではなく、そのような「歩いている」状態に、自らの身をあえて置くことである。散歩の魅力は「歩いている」状態がもたらす刻一刻の、知覚経験の豊富さの中にこそある。散歩のあいだ、目に映るものは分け隔てなく、しかも普段とは異なる説得力をもって迫ってくる。僕たちは現実空間の中を、現象学的と呼んでもよいくらいの濃密な知覚や身体意識と共に歩くのだ。まるで水の中を泳ぐようにして。(畠山直哉)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。
《TOKYO PERSPECTIVE》豊嶋康子(撮影場所)
写真プロジェクト「Tokyo Perspective」

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《Backshift 1992〜2025(本銀第2ビル)》(シリーズ〈Backshift 2025〉)より「東京ビエンナーレ2025」の開催エリアには、過去に私が個展をした場所が複数含まれている。「犯人は現場に戻る」という俗説に沿うかのような、あるいは帰巣本能に促されるような気持ちで、しばらく行くことがなかったその場所を訪ねてみる。かつて短期間だったが自分の作品を置いた記憶は鮮明で、まだその時のストレスは続いている。当時は作品を展示する空間になるべく、壁を塗り、照明に苦心した小さな経験の場だったが、今は建物や土地という不動産としての別の相がみえる。いつその場と関わったかということ、そして今回もその場を見にいったということ。この空間に個人的に関わる2点の事実を、時間軸を通して文章のように結びつけるために撮影という方法を選んだ。建物は35年前と変わらずにある場合もあれば、すでに取り壊されて駐車場になっている場合もある。共通していたのは、当時の関係者は現在その住所にはいないということである。(豊嶋康子)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。
《TOKYO PERSPECTIVE》中村政人(撮影場所)
写真プロジェクト「Tokyo Perspective」

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《イエロー/馬喰町駅ホーム》撮影場所:JR馬喰町駅の東京方面行きホーム先端付近を撮影馬喰町駅には、「逸脱」と呼んでよいような行為や表現に満ちた作品が多く、私はとても好きな駅である。ホームに立つと、もの派の作風を想起させる壁画が、圧倒的な存在感を放っている。もの派の代表的作家・榎倉康二は、黒いペンキを何層にも塗り重ねてキャンバスに染み込ませたり、油を含ませた木材をキャンバスに押し当て、滲み出す痕跡そのものを提示するような表現で知られている。物質を意味や記号として扱うことを避け、ものそのものの存在を世界の中に露わにする点に特徴がある。その意味で、馬喰町駅の壁画は、もの派の思想を自然の力によって継承・発展させたもののように見える。コンクリートの壁には、長年にわたる黒い汚れ、しみ出す水の跡、工事の痕跡などが重なり合い、やがてカビが発生し、独自の生態系のような表情をつくり出している。それは、意図的で作為的な人間の行為が生み出した景色ではない。かつては白い壁だったのだろうか。今では、真っ黒からグレーまで微妙な階調が現れ、自然と人工が交錯する美しい地層を形成している。その成り立ちに明確な因果関係は見いだせないが、少なくとも、電車が毎日通り過ぎるこのトンネルの中で、放置された壁の物質性そのものが描き出した“絵画”であると言っていい。私は、この作為性のない、物質そのものの純粋な美しさが残されていることに感謝する気持ちを込めて、黄色いボールをそっと置き、撮影した。(中村政人)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。
《TOKYO PERSPECTIVE》鈴木理策(撮影場所)
写真プロジェクト「Tokyo Perspective」

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《日本橋室町・東を望む》(シリーズ〈解像度について〉より)東京の写真は東京生まれの人が撮ったものが面白い、と学生の頃に聞いたことがある。変わってしまった風景に撮影者が思い出を投影するからだろうか。他所で生まれた人よりもシャッターを押す理由が多くあるということなのか。写真の作業を「撮影」と「撮影の後で撮った写真を見ること」に分けて考えてみる。出来上がった写真を見る時、そこに撮った理由が表れていると、撮影者の思い出や感情を想像し、気持ちを重ねることができる。写真は、実際にシャッターを押した時に生まれるのではなく、もっと遡った時間、撮影者の過去の経験や記憶から生まれる場合も多い。複層的な時間をそなえていることは写真の魅力のひとつだと思う。では撮られた写真からは何が生まれるか? そこから始めることはできないかと考えた。対象とカメラの距離が写真の種類を決定することは経験上心得ている。だが手法が導く効果の道すじから離れて、東京を撮影してみたいと考えた。(鈴木理策)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。
《TOKYO PERSPECTIVE》鈴木理策(撮影場所)
写真プロジェクト「Tokyo Perspective」

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《日本橋》(シリーズ〈解像度について〉より)東京の写真は東京生まれの人が撮ったものが面白い、と学生の頃に聞いたことがある。変わってしまった風景に撮影者が思い出を投影するからだろうか。他所で生まれた人よりもシャッターを押す理由が多くあるということなのか。写真の作業を「撮影」と「撮影の後で撮った写真を見ること」に分けて考えてみる。出来上がった写真を見る時、そこに撮った理由が表れていると、撮影者の思い出や感情を想像し、気持ちを重ねることができる。写真は、実際にシャッターを押した時に生まれるのではなく、もっと遡った時間、撮影者の過去の経験や記憶から生まれる場合も多い。複層的な時間をそなえていることは写真の魅力のひとつだと思う。では撮られた写真からは何が生まれるか? そこから始めることはできないかと考えた。対象とカメラの距離が写真の種類を決定することは経験上心得ている。だが手法が導く効果の道すじから離れて、東京を撮影してみたいと考えた。(鈴木理策)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。
《TOKYO PERSPECTIVE》中村政人(撮影場所)
写真プロジェクト「Tokyo Perspective」

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《イエロー/馬喰町駅通路》撮影場所:JR馬喰町駅改札に向かって右側の通路入り口付近の壁を撮影水は、どんな場所のわずかな隙間も見逃さず、重力の赴くままに流れていく。その流れが続くうちに、小さな穴からじわじわと影響範囲を広げていく力は、計り知れない。その神出鬼没な動きを追うように、人は必死でその行方を遮り、流れを変えようとする。天井には四角くビニールシートが張られ、中央の一点に水を集め、壁際に伸ばしたホースで下方へと排水する。作業する人の最優先は、水の流れを制御し、通行する人に水がかからないようにすることだ。その集中力は、結果としてどんな状態に見えようと構わないという、制作の瞬間の純粋さを感じさせる。壁の内側からの結露で塗装が剥がれ落ちたり、何かの拍子に絵の具のように水が垂れた痕が残っていても構わない。ガムテープで覆われた即興的な補修跡がどれほど乱雑に見えても、水をコントロールすることの方が圧倒的に重要なのである。そこでは、「見られること」よりも「つくること」の方が、はるかに優位な状況にある。こうして水と人とのあいだに、純粋で切実な関係を築くようなパフォーマンスが行われ、その結果として、逸脱したインスタレーション――仮設的な展示空間――が駅の通路に生まれている。私は、この独特な表現を体現する作業者への敬意を込めて、黄色いボールを置き、撮影した。(中村政人)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。
《TOKYO PERSPECTIVE》港千尋(撮影場所)
写真プロジェクト「Tokyo Perspective」

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《UR2L003》(シリーズ〈URBAN RITUAL /Tokyo2025〉より)東京は巨大都市(メガシティ)という形容が定着して久しい。「1000万都市」東京は1950年代にニューヨークを抜いて世界一となり、64年には2000万人を、85年に3000万人を突破、2020年にはついに4000万人を超えて世界一を突き進んでいるという。行政区をまたいで延伸する都市圏は衛星画像からも確認できる。統計上の数字とはいえ驚くべきことだが、そこに住んでいる住民に「世界一」の実感があるのかどうかはわからない。人口密度が連続する集積地域 (urban agglomeration) の内側は不均質な「地元」の積み重ねではないだろうか。そんな「町」の一角を切り取りつなげて連続性のパターンを作ってみる。不均質な都市から取り出す地元文様の試み。今回は東京ビエンナーレが繰り広げられる神田川沿いの高低差を含んだ地形と、そこを通る動脈である電車をモチーフにした。庶民の遊び心が生んだ江戸小紋ではないけれど、メガシティならではの文様と言えるかもしれない。(港 千尋)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。
《TOKYO PERSPECTIVE》港千尋(撮影場所)
写真プロジェクト「Tokyo Perspective」

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《UR2L004》(シリーズ〈URBAN RITUAL /Tokyo2025〉より)東京は巨大都市(メガシティ)という形容が定着して久しい。「1000万都市」東京は1950年代にニューヨークを抜いて世界一となり、64年には2000万人を、85年に3000万人を突破、2020年にはついに4000万人を超えて世界一を突き進んでいるという。行政区をまたいで延伸する都市圏は衛星画像からも確認できる。統計上の数字とはいえ驚くべきことだが、そこに住んでいる住民に「世界一」の実感があるのかどうかはわからない。人口密度が連続する集積地域 (urban agglomeration) の内側は不均質な「地元」の積み重ねではないだろうか。そんな「町」の一角を切り取りつなげて連続性のパターンを作ってみる。不均質な都市から取り出す地元文様の試み。今回は東京ビエンナーレが繰り広げられる神田川沿いの高低差を含んだ地形と、そこを通る動脈である電車をモチーフにした。庶民の遊び心が生んだ江戸小紋ではないけれど、メガシティならではの文様と言えるかもしれない。(港 千尋)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。
《TOKYO PERSPECTIVE》SIDE CORE(撮影場所)
写真プロジェクト「Tokyo Perspective」

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《only one dirty shoe》(シリーズ〈Tunderpass poem〉より)昔、神田に住んでいました。よく散歩をしていましたが、気になるけれどあえて立ち止まって見ることがなかった場所があります。それが首都高上野1号線の高架下です。首都高1号羽田線の歴史は古く、高架下のガードレールや柱に排気ガスのススが長年降り積もって、真っ黒になっています。最近の車はそんなに多くの排気ガスを排出しないので、今となってはただ汚い高架下に歴史を感じてしまいます。また場所によっては誰かが指で書いた落書きがちらほらと点在していて、渋滞時よくそれを眺めていました。意味不明な落書きが多いのですが、よく見れば中央分離帯など人が歩かない場所にかかれているものもあり、意外な作為性があります。今回、久しぶりに神田を訪れて散歩をしたとき、私たちもススを指で拭って詩を描いてみました。一見簡単そうに見えるのですが降り積もったススが固まっていて、一本の線を引くことすら難しく、手も服も真っ黒になりました。触れてみて初めてわかる街の姿があるのだと思います。もし、場所を探しに散歩してもらえるのであれば、皆さんもぜび触ってみてください。(SIDE CORE)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。
《TOKYO PERSPECTIVE》中村政人(撮影場所)
写真プロジェクト「Tokyo Perspective」

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《イエロー/五軒町の石》街を散歩していると、目に映し出される全ての風景を創りだしている制作者をイメージしてしまう。「路上の石」があるとすると、アスファルトを敷き白線を引く道路工事者の行為の上に、誰かが運んできた石が路肩に息を潜めるようにじっとしている、と読み解く。ビル群のスキマに小さな一軒家を見ると、戦後の焼け野原に木造建築を建てた棟梁達の技術や考え方と、型枠にコンクリートを流し込んでビルを建てる建築のサスティナビリティを比較するように見てしまう。私は、行為の連続性から創造される「部分と全体」の因果関係を、作品やプロジェクトを通して表現してきた。釘一本の意思と、東京という都市の意思。部分を創り出す創造力と、都市を構成する全体の創造力は、人間社会や地球環境にいかなる関係を築いているのか? その関係項に私がひとつの行為を加える事で、部分と全体の関係は、どのように変化するのか?今回の写真制作においては、風景を構成する部分と全体の関係をひとつの表現体として捉えている。そしてその表現体を見つめる私の視線を黄色いボールに置き換え、風景全体に新たな部分として介入する試みである。(中村政人)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。
《TOKYO PERSPECTIVE》中村政人(撮影場所)
写真プロジェクト「Tokyo Perspective」

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《イエロー/ワイヤーロック》撮影場所:(千代田区東神田1−13−3)エトワール海渡商品部ビル入り口から一橋高校前路肩を撮影ワイヤーロックを街で見かけると、ついその持ち主のことを想像してしまう。いつから、なぜここにあるのだろう――そう思うと、思わずカメラを向けてしまう。 1994年ごろ、私は銀座のあちこちに自転車用のワイヤーロックを仕掛け、その鍵をギャラリーで展示したことがある。当然だが、その鍵を持っていけばワイヤーロックは外せる。逆に外さずに、そこに置いたままにしておくこともできる。実際、ある交番横の掲示板につけたワイヤーロックは、その後、掲示板の仕様が変わるまでずっと何年もそこに残っていた。私はその近くを通るたび、無意識のうちにその存在を確認していた。新しい事務所に引っ越したとき、ビルの入口前でかなり太いタイプのワイヤーロックを見つけた。それ以来、毎日ビルに入るたびにその姿を確かめるのが習慣になってしまった。「今日もちゃんといるね、そこにいるね」と、まるで安否を確かめるような気持ちで声をかける。いつか持ち主が現れて持ち去る日が来るのかもしれない。あるいは誰かがワイヤーカッターで切り捨ててしまうのかもしれない――そんな憶測を抱きながら見つめてしまう。背景に見える一橋高校の壁画が、どこか愛嬌のあるユーモラスな絵だからだろうか、このワイヤーロックのある風景は、私にとってかけがえのない、自己をそっと投影できる小さな居場所のように感じられる。フェンスの向こうに見える配電塔も、かつて作品として扱ったモチーフであり、そのことがさらに親近感を呼び起こしている。そんな風景の中に自分を一瞬重ねるようにして、私は黄色いボールを置き、シャッターを切った。ボールはそのままにしておいたが、翌日にはもう姿を消していた。東京で「そこに在り続ける」ということには、しなやかさな振るまいと、したたかな覚悟が必要なのだと、あらためて感じた。(中村政人)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。
《TOKYO PERSPECTIVE》中村政人(撮影場所)
写真プロジェクト「Tokyo Perspective」

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《イエロー/屋上プール》撮影場所:千代田区東神田1−13−3エトワール海渡商品部ビル屋上から一橋高校屋上を撮影最近、新たに構えたスタジオの窓から、向かいにある一橋高校の屋上プールが間近に見える。毎日その光景を目にしながら、いつしかそれを「当たり前の都市風景」として受け流していた。しかしある日、空の光を受けて青く透きとおるその水面を見た瞬間、そこに、一つの逸脱感を感じた。プールいっぱいに満ちる水の存在感――その物質としての圧倒的な量と質――私には、それが単なるプールという施設以上の水の存在を語りかけているように思えた。現代美術において、原口典之の《オイルプール》は、鉄製のプールに黒い廃油を満たし、その鏡面によって「物質と精神」の関係を提示した作品として広く知られている。だが、目の前にあるこの屋上プールにも、同じように「物質と精神のあわい」が潜んでいるように感じてしまうのは、私だけだろうか。多摩川上水が江戸まで勾配を計算して掘り下げられ、重力に従って水を運んできたのに対し、この屋上にあるプールは、自然の循環とは異なり重力に逆らって空に浮かぶ「水の塊」として存在している。水はときに洪水を起こし都市を破壊するほどの力を秘めているが、ここでは重力のエネルギーを蓄えたまま塊としてその力を秘めたまま静かに眠っている。コンクリートのビル群に現れる屋上の水面は、空と雲と光を映し込み、もうひとつの空を生み出す。その光景は、詩的な意味で都市の余白を感じさせる。私は、その異質な静けさと驚異に惹かれながら、黄色いボールをひとつ置き、シャッターを切った。(中村政人)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。
《TOKYO PERSPECTIVE》SIDE CORE(撮影場所)
写真プロジェクト「Tokyo Perspective」

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《best hour》(シリーズ〈Tunderpass poem〉より)昔、神田に住んでいました。よく散歩をしていましたが、気になるけれどあえて立ち止まって見ることがなかった場所があります。それが首都高上野1号線の高架下です。首都高1号羽田線の歴史は古く、高架下のガードレールや柱に排気ガスのススが長年降り積もって、真っ黒になっています。最近の車はそんなに多くの排気ガスを排出しないので、今となってはただ汚い高架下に歴史を感じてしまいます。また場所によっては誰かが指で書いた落書きがちらほらと点在していて、渋滞時よくそれを眺めていました。意味不明な落書きが多いのですが、よく見れば中央分離帯など人が歩かない場所にかかれているものもあり、意外な作為性があります。今回、久しぶりに神田を訪れて散歩をしたとき、私たちもススを指で拭って詩を描いてみました。一見簡単そうに見えるのですが降り積もったススが固まっていて、一本の線を引くことすら難しく、手も服も真っ黒になりました。触れてみて初めてわかる街の姿があるのだと思います。もし、場所を探しに散歩してもらえるのであれば、皆さんもぜび触ってみてください。(SIDE CORE)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。
《TOKYO PERSPECTIVE》SIDE CORE(撮影場所)
写真プロジェクト「Tokyo Perspective」

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《myterious old man sitting on the bench all day》(シリーズ〈Tunderpass poem〉より)昔、神田に住んでいました。よく散歩をしていましたが、気になるけれどあえて立ち止まって見ることがなかった場所があります。それが首都高上野1号線の高架下です。首都高1号羽田線の歴史は古く、高架下のガードレールや柱に排気ガスのススが長年降り積もって、真っ黒になっています。最近の車はそんなに多くの排気ガスを排出しないので、今となってはただ汚い高架下に歴史を感じてしまいます。また場所によっては誰かが指で書いた落書きがちらほらと点在していて、渋滞時よくそれを眺めていました。意味不明な落書きが多いのですが、よく見れば中央分離帯など人が歩かない場所にかかれているものもあり、意外な作為性があります。今回、久しぶりに神田を訪れて散歩をしたとき、私たちもススを指で拭って詩を描いてみました。一見簡単そうに見えるのですが降り積もったススが固まっていて、一本の線を引くことすら難しく、手も服も真っ黒になりました。触れてみて初めてわかる街の姿があるのだと思います。もし、場所を探しに散歩してもらえるのであれば、皆さんもぜび触ってみてください。(SIDE CORE)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。
《TOKYO PERSPECTIVE》片山真理(撮影場所)
写真プロジェクト「Tokyo Perspective」

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ ※このスポットは作家の撮影場所です。作品展示はございません。作品は日本橋・馬喰町エリアの「エトワール海渡リビング館」にて展示しています。 《Tokyo / Ueno #001》《Tokyo / Ueno #003》《Tokyo / Ueno #004》上野公園に立つと、進学して最初の授業で先生に投げかけられた問いと、そのときの緊張感を思い出します。「ここがどんな場所か知っていますか?」人が生きる限り、歴史が作られていく。学生時代の私は道端の小石にさえ理由を探し求めるほど、あらゆる事象に説明を欲していました。だからなのか、いくら歩いても上野公園の道を覚えられることはなく、慣れないのです。撮影には中判フィルムカメラを使っています。セルフポートレートを撮るときは長いレリ ーズでバルブ撮影を行いますが、シャッターを閉じるには手動でフィルムを巻き上げる必要があり、カメラのもとへ戻らなければなりません。その間に生じる時間差によって、私の身体は半透明に写ります。これはデジタル編集や多重露光の効果ではなく、物理的な撮影条件から生まれる現象です。透けた身体はコントロールできない景色や環境と一体化し、場所の模様として記録されます。たまたま生まれた私たちが、人為的につくられた世界のなかで、どこまで調和を保てるのか、撮影のたびに考えます。人が作ったものは間違いに満ちています。知らないこと、それから当然と思っていた価値観や基準を一度忘れ、改めて考え直すこと。上野公園での緊張は、私の撮影の原点なのかもしれません。 (片山真理)『Tokyo Perspective』とは?アーティストがまちを歩き、新作を撮影。各作家が撮影したポイントは公開され、そこを訪れた人々と視線を共有します。オリジナルプリントは「エトワール海渡リビング館」で展示するほか、セブン-イレブン各店舗に設置されているマルチコピー機でプリントが可能。
点音

東京ビエンナーレ本堂の右の渡りをくぐり不忍池ボート場前の橋の近く、コンクリート手摺りのコーナーのスポットには、蓮池を隔てて上野動物園の鳥たちのざわめきが風にのって届いている。(鈴木昭男)《点 音(o to da te)》とは?日本におけるサウンド・アートの先駆的な活動者として知られる鈴木昭男は、1960年代より、音と場の関わり方を探求する姿勢によって、「自修イベント」やパフォーマンス、インスタレーションなどを国内外で展開してきました。今回は、鈴木の幅広い活動の中でも特に「聴く」ことにフォーカスした代表的なプロジェクト「点 音(o to da te)」を、都内6か所で実施します。「点 音」は、茶の湯の野点(屋外で行う茶会)のように、参加者が定められた場所(ポイント)で風景を感じながら耳を澄まして感覚を開くプロジェクト。それぞれのポイントは、鈴木が自らまちなかを探索して、ユニークな環境音や反響音が聴ける場所を探し出したものです.選ばれたポイントには、佇みを誘う足跡の形と、聴くことを即す耳の形からなるマークが敷設されています。歴史ある寺院の境内にある老樹に向き合うものや、美術館やギャラリーの多い賑やかな通りの周辺など、参加者はマップをもとにそれらのポイントを訪ねます。ひとり静かにマークの上に立つと、聴覚意識がスイッチオンし、その時々の巷の音に耳を澄ます体験ができます。そこでは私たち誰もが「聴く側にも、作曲者にもなれる」、そうした能動性のある時間を過ごすことになるでしょう。協賛特別助成:公益財団法人石橋財団特別協力:東叡山 寛永寺※本会場は無料で鑑賞可能です。[参加作家]鈴木昭男(2箇所)東京都台東区上野公園2-1アクセス:JR「上野駅」から徒歩約5分Open:9:00-17:00

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ右の「樹に聴く」(鈴木昭男)《点 音(o to da te)》とは?日本におけるサウンド・アートの先駆的な活動者として知られる鈴木昭男は、1960年代より、音と場の関わり方を探求する姿勢によって、「自修イベント」やパフォーマンス、インスタレーションなどを国内外で展開してきました。今回は、鈴木の幅広い活動の中でも特に「聴く」ことにフォーカスした代表的なプロジェクト「点 音(o to da te)」を、都内6か所で実施します。「点 音」は、茶の湯の野点(屋外で行う茶会)のように、参加者が定められた場所(ポイント)で風景を感じながら耳を澄まして感覚を開くプロジェクト。それぞれのポイントは、鈴木が自らまちなかを探索して、ユニークな環境音や反響音が聴ける場所を探し出したものです.選ばれたポイントには、佇みを誘う足跡の形と、聴くことを即す耳の形からなるマークが敷設されています。歴史ある寺院の境内にある老樹に向き合うものや、美術館やギャラリーの多い賑やかな通りの周辺など、参加者はマップをもとにそれらのポイントを訪ねます。ひとり静かにマークの上に立つと、聴覚意識がスイッチオンし、その時々の巷の音に耳を澄ます体験ができます。そこでは私たち誰もが「聴く側にも、作曲者にもなれる」、そうした能動性のある時間を過ごすことになるでしょう。特別助成:公益財団法人石橋財団特別協力:東叡山 寛永寺※本会場は無料で鑑賞可能です。[参加作家]鈴木昭男東京都台東区上野桜木1-14-11アクセス:JR「上野駅」から徒歩約5分Open:9:00-17:00

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ左の「樹に聴く」(鈴木昭男)《点 音(o to da te)》とは?日本におけるサウンド・アートの先駆的な活動者として知られる鈴木昭男は、1960年代より、音と場の関わり方を探求する姿勢によって、「自修イベント」やパフォーマンス、インスタレーションなどを国内外で展開してきました。今回は、鈴木の幅広い活動の中でも特に「聴く」ことにフォーカスした代表的なプロジェクト「点 音(o to da te)」を、都内6か所で実施します。「点 音」は、茶の湯の野点(屋外で行う茶会)のように、参加者が定められた場所(ポイント)で風景を感じながら耳を澄まして感覚を開くプロジェクト。それぞれのポイントは、鈴木が自らまちなかを探索して、ユニークな環境音や反響音が聴ける場所を探し出したものです.選ばれたポイントには、佇みを誘う足跡の形と、聴くことを即す耳の形からなるマークが敷設されています。歴史ある寺院の境内にある老樹に向き合うものや、美術館やギャラリーの多い賑やかな通りの周辺など、参加者はマップをもとにそれらのポイントを訪ねます。ひとり静かにマークの上に立つと、聴覚意識がスイッチオンし、その時々の巷の音に耳を澄ます体験ができます。そこでは私たち誰もが「聴く側にも、作曲者にもなれる」、そうした能動性のある時間を過ごすことになるでしょう。特別助成:公益財団法人石橋財団特別協力:東叡山 寛永寺※本会場は無料で鑑賞可能です。[参加作家]鈴木昭男東京都台東区上野桜木1-14-11アクセス:JR「上野駅」から徒歩約5分Open:9:00-17:00

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ境内に在る三本の杉の老樹に対して、「樹に聴く」と題する「点 音」。 古代オリエントの「ギルガメシュ叙事詩」や聖書「エゼキエル31章」に記された〈レバノン杉〉とも想えるこの樹々。徳川家安泰を願い創建された天台宗の寺院に聳え、永く時代を聴いてきた大樹に耳を澄ますスポット。(鈴木昭男)《点 音(o to da te)》とは?日本におけるサウンド・アートの先駆的な活動者として知られる鈴木昭男は、1960年代より、音と場の関わり方を探求する姿勢によって、「自修イベント」やパフォーマンス、インスタレーションなどを国内外で展開してきました。今回は、鈴木の幅広い活動の中でも特に「聴く」ことにフォーカスした代表的なプロジェクト「点 音(o to da te)」を、都内6か所で実施します。「点 音」は、茶の湯の野点(屋外で行う茶会)のように、参加者が定められた場所(ポイント)で風景を感じながら耳を澄まして感覚を開くプロジェクト。それぞれのポイントは、鈴木が自らまちなかを探索して、ユニークな環境音や反響音が聴ける場所を探し出したものです.選ばれたポイントには、佇みを誘う足跡の形と、聴くことを即す耳の形からなるマークが敷設されています。歴史ある寺院の境内にある老樹に向き合うものや、美術館やギャラリーの多い賑やかな通りの周辺など、参加者はマップをもとにそれらのポイントを訪ねます。ひとり静かにマークの上に立つと、聴覚意識がスイッチオンし、その時々の巷の音に耳を澄ます体験ができます。そこでは私たち誰もが「聴く側にも、作曲者にもなれる」、そうした能動性のある時間を過ごすことになるでしょう。特別助成:公益財団法人石橋財団特別協力:東叡山 寛永寺※本会場は無料で鑑賞可能です。[参加作家]鈴木昭男東京都台東区上野桜木1-14-11アクセス:JR「上野駅」から徒歩約5分Open:9:00-17:00

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ辨天堂に向かう参道の中程左側。蓮池のほとりに放置されたような平な石の上面にマーキングした「点 音」。マークの指し示す方向に佇むと、群生する蓮が遠方の街音のフィルターの役割をしている。(鈴木昭男)《点 音(o to da te)》とは?日本におけるサウンド・アートの先駆的な活動者として知られる鈴木昭男は、1960年代より、音と場の関わり方を探求する姿勢によって、「自修イベント」やパフォーマンス、インスタレーションなどを国内外で展開してきました。今回は、鈴木の幅広い活動の中でも特に「聴く」ことにフォーカスした代表的なプロジェクト「点 音(o to da te)」を、都内6か所で実施します。「点 音」は、茶の湯の野点(屋外で行う茶会)のように、参加者が定められた場所(ポイント)で風景を感じながら耳を澄まして感覚を開くプロジェクト。それぞれのポイントは、鈴木が自らまちなかを探索して、ユニークな環境音や反響音が聴ける場所を探し出したものです.選ばれたポイントには、佇みを誘う足跡の形と、聴くことを即す耳の形からなるマークが敷設されています。歴史ある寺院の境内にある老樹に向き合うものや、美術館やギャラリーの多い賑やかな通りの周辺など、参加者はマップをもとにそれらのポイントを訪ねます。ひとり静かにマークの上に立つと、聴覚意識がスイッチオンし、その時々の巷の音に耳を澄ます体験ができます。そこでは私たち誰もが「聴く側にも、作曲者にもなれる」、そうした能動性のある時間を過ごすことになるでしょう。協賛特別助成:公益財団法人石橋財団特別協力:東叡山 寛永寺※本会場は無料で鑑賞可能です。[参加作家]鈴木昭男(2箇所)東京都台東区上野公園2-1アクセス:JR「上野駅」から徒歩約5分Open:9:00-17:00

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ「松坂屋上野店」と並ぶ中央通り「PARCO_ya 上野」の、鋭角状のビル角に向かって佇むスポット。左は、上野広小路駅方面の、右は、御徒町駅の騒音が立体的に交差して耳に作用する。(鈴木昭男)《点 音(o to da te)》とは?日本におけるサウンド・アートの先駆的な活動者として知られる鈴木昭男は、1960年代より、音と場の関わり方を探求する姿勢によって、「自修イベント」やパフォーマンス、インスタレーションなどを国内外で展開してきました。今回は、鈴木の幅広い活動の中でも特に「聴く」ことにフォーカスした代表的なプロジェクト「点 音(o to da te)」を、都内6か所で実施します。「点 音」は、茶の湯の野点(屋外で行う茶会)のように、参加者が定められた場所(ポイント)で風景を感じながら耳を澄まして感覚を開くプロジェクト。それぞれのポイントは、鈴木が自らまちなかを探索して、ユニークな環境音や反響音が聴ける場所を探し出したものです.選ばれたポイントには、佇みを誘う足跡の形と、聴くことを即す耳の形からなるマークが敷設されています。歴史ある寺院の境内にある老樹に向き合うものや、美術館やギャラリーの多い賑やかな通りの周辺など、参加者はマップをもとにそれらのポイントを訪ねます。ひとり静かにマークの上に立つと、聴覚意識がスイッチオンし、その時々の巷の音に耳を澄ます体験ができます。そこでは私たち誰もが「聴く側にも、作曲者にもなれる」、そうした能動性のある時間を過ごすことになるでしょう。特別助成:公益財団法人石橋財団※本会場は無料で鑑賞可能です。[参加作家]鈴木昭男東京都台東区上野3丁目Open:日中
東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ【中2階】中2階の低い天井高フロアーの一角。一巡する「点 音」と言っても良いほど雰囲気のあるフロアー。エレガントなガラス窓越しに階下の吹き抜け空間音をイメージする、出色のポイントです。【3階-4階】3階の石造り大階段室の長ベンチ(向かって右端)。どの階のベンチもくつろぐ人が多いのは、興味あることです。ベンチのコーナーに、耳を澄ますスポットとして特別設置。【3階】店内の両端に設けられた魅力ある階段の手すり前。ここに立ち、手すりに手をそえると、階段の狭間の上下空間を眺めることができ、デパートの長い歴史をタイムスリップする聴き方が生じます。【8階スカイランド】*11月中旬公開(詳細はHPでお知らせ予定)屋上のくつろぎの場を、ステージの4つのパンダ像がいつも見届けているようだ。いっ時、5人目に加わってみたら、どのような創造性がもたらされるのでしょう。フェンスのコーナーに置かれた、植物だって何かを語りかけていることに気づけます。(鈴木昭男)《点 音(o to da te)》とは?日本におけるサウンド・アートの先駆的な活動者として知られる鈴木昭男は、1960年代より、音と場の関わり方を探求する姿勢によって、「自修イベント」やパフォーマンス、インスタレーションなどを国内外で展開してきました。今回は、鈴木の幅広い活動の中でも特に「聴く」ことにフォーカスした代表的なプロジェクト「点 音(o to da te)」を、都内6か所で実施します。「点 音」は、茶の湯の野点(屋外で行う茶会)のように、参加者が定められた場所(ポイント)で風景を感じながら耳を澄まして感覚を開くプロジェクト。それぞれのポイントは、鈴木が自らまちなかを探索して、ユニークな環境音や反響音が聴ける場所を探し出したものです.選ばれたポイントには、佇みを誘う足跡の形と、聴くことを即す耳の形からなるマークが敷設されています。歴史ある寺院の境内にある老樹に向き合うものや、美術館やギャラリーの多い賑やかな通りの周辺など、参加者はマップをもとにそれらのポイントを訪ねます。ひとり静かにマークの上に立つと、聴覚意識がスイッチオンし、その時々の巷の音に耳を澄ます体験ができます。そこでは私たち誰もが「聴く側にも、作曲者にもなれる」、そうした能動性のある時間を過ごすことになるでしょう。特別助成:公益財団法人石橋財団協賛:株式会社 大丸松坂屋百貨店※本会場は無料で鑑賞可能です。[参加作家]鈴木昭男東京都台東区上野3-29-5 松坂屋 上野店 本館アクセス:東京メトロ丸ノ内線、千代田線、半蔵門線、東西線、都営三田線「大手町駅」C6a出口直結Open:10:00-20:00

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京メトロ銀座線「末広町駅」近く、蔵前橋通りから入ったL字の路地角に位置するスポット。道路のあちこちにスプレーによる「路上喫煙禁止」マークがあり、「点 音」もその仲間入り。(鈴木昭男)《点 音(o to da te)》とは?日本におけるサウンド・アートの先駆的な活動者として知られる鈴木昭男は、1960年代より、音と場の関わり方を探求する姿勢によって、「自修イベント」やパフォーマンス、インスタレーションなどを国内外で展開してきました。今回は、鈴木の幅広い活動の中でも特に「聴く」ことにフォーカスした代表的なプロジェクト「点 音(o to da te)」を、都内6か所で実施します。「点 音」は、茶の湯の野点(屋外で行う茶会)のように、参加者が定められた場所(ポイント)で風景を感じながら耳を澄まして感覚を開くプロジェクト。それぞれのポイントは、鈴木が自らまちなかを探索して、ユニークな環境音や反響音が聴ける場所を探し出したものです.選ばれたポイントには、佇みを誘う足跡の形と、聴くことを即す耳の形からなるマークが敷設されています。歴史ある寺院の境内にある老樹に向き合うものや、美術館やギャラリーの多い賑やかな通りの周辺など、参加者はマップをもとにそれらのポイントを訪ねます。ひとり静かにマークの上に立つと、聴覚意識がスイッチオンし、その時々の巷の音に耳を澄ます体験ができます。そこでは私たち誰もが「聴く側にも、作曲者にもなれる」、そうした能動性のある時間を過ごすことになるでしょう。特別助成:公益財団法人石橋財団※本会場は無料で鑑賞可能です。[参加作家]鈴木昭男東京都千代田区外神田3丁目Open:日中

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ境内にある明神会館の横、「明神男坂」 の階段から昌平橋方面の眺めは、パリのモンマルトルを想わせる観光的なスポット。(鈴木昭男)《点 音(o to da te)》とは?日本におけるサウンド・アートの先駆的な活動者として知られる鈴木昭男は、1960年代より、音と場の関わり方を探求する姿勢によって、「自修イベント」やパフォーマンス、インスタレーションなどを国内外で展開してきました。今回は、鈴木の幅広い活動の中でも特に「聴く」ことにフォーカスした代表的なプロジェクト「点 音(o to da te)」を、都内6か所で実施します。「点 音」は、茶の湯の野点(屋外で行う茶会)のように、参加者が定められた場所(ポイント)で風景を感じながら耳を澄まして感覚を開くプロジェクト。それぞれのポイントは、鈴木が自らまちなかを探索して、ユニークな環境音や反響音が聴ける場所を探し出したものです.選ばれたポイントには、佇みを誘う足跡の形と、聴くことを即す耳の形からなるマークが敷設されています。歴史ある寺院の境内にある老樹に向き合うものや、美術館やギャラリーの多い賑やかな通りの周辺など、参加者はマップをもとにそれらのポイントを訪ねます。ひとり静かにマークの上に立つと、聴覚意識がスイッチオンし、その時々の巷の音に耳を澄ます体験ができます。そこでは私たち誰もが「聴く側にも、作曲者にもなれる」、そうした能動性のある時間を過ごすことになるでしょう。特別助成:公益財団法人石橋財団※本会場は無料で鑑賞可能です。[参加作家]鈴木昭男東京都千代田区外神田2丁目Open:日中

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東側(末広町駅近く)のポイントから三筋を隔てた道路に入った T字路にある。何の変哲もない風景ながら、電信柱に背もたれして町の活動・聴察のスポット。(鈴木昭男)《点 音(o to da te)》とは?日本におけるサウンド・アートの先駆的な活動者として知られる鈴木昭男は、1960年代より、音と場の関わり方を探求する姿勢によって、「自修イベント」やパフォーマンス、インスタレーションなどを国内外で展開してきました。今回は、鈴木の幅広い活動の中でも特に「聴く」ことにフォーカスした代表的なプロジェクト「点 音(o to da te)」を、都内6か所で実施します。「点 音」は、茶の湯の野点(屋外で行う茶会)のように、参加者が定められた場所(ポイント)で風景を感じながら耳を澄まして感覚を開くプロジェクト。それぞれのポイントは、鈴木が自らまちなかを探索して、ユニークな環境音や反響音が聴ける場所を探し出したものです.選ばれたポイントには、佇みを誘う足跡の形と、聴くことを即す耳の形からなるマークが敷設されています。歴史ある寺院の境内にある老樹に向き合うものや、美術館やギャラリーの多い賑やかな通りの周辺など、参加者はマップをもとにそれらのポイントを訪ねます。ひとり静かにマークの上に立つと、聴覚意識がスイッチオンし、その時々の巷の音に耳を澄ます体験ができます。そこでは私たち誰もが「聴く側にも、作曲者にもなれる」、そうした能動性のある時間を過ごすことになるでしょう。特別助成:公益財団法人石橋財団※本会場は無料で鑑賞可能です。[参加作家]鈴木昭男東京都千代田区外神田3丁目Open:日中
スキマプロジェクト/日本橋室町・本町
スキマプロジェクト/日本橋室町・本町
スキマプロジェクト/日本橋室町・本町

東京ビエンナーレスキマプロジェクト/日本橋室町・本町都市の構造を物理的、観念的な「スキマ」からとらえ、ビルの間のわずかな隙間(すきま)を作品発表の空間や作品そのものとして活用する試み。1999年に中村政人とコマンドNが実施した伝説的なプロジェクトで、今回は路地裏の鉢植えの隙間を縫うように、アーティストたちの彫刻作品が鉢植えに「擬態」しながら、まちのスキマ空間を豊かに彩ります。[参加作家]岩岡純子/片岡純也+岩竹理恵/栗原良彰/6lines studio+塚本由晴/寺内木香/戸田祥子/ミルク倉庫ザココナッツ/森 靖協賛:三井不動産株式会社※本会場は無料で鑑賞可能です。日本橋室町・本町の路地裏(中央区日本橋室町1/日本橋本町1)各作家の展示場所はこちら(日本橋・馬喰町詳細マップ)
考現学マップ
サラリーマンの必需品
考現学マップ

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ考現学マップ《サラリーマンの必需品:心身を支える病院・マッサージ治療院・薬屋》京橋の中心地に隠れた紳士の憩いの場所が粋な趣味空間だとしたら、道を隔てた兜町の銀行や証券取引所でバリバリ働くサラリーマンの憩いの場はどうだろう?それは古美術店でも、繁華街にある飲み屋でもない。すっきりと碁盤の目状に整理されたすずらん通りには、中層階のビルの足元に、かなりの密度で心身の不調を癒す病院やマッサージ治療院、歯医者や薬屋が立ち並んでいる事に驚く。証券会社や銀行で働く人々の心を映すように、整備された街並み、ささやかな緑と癒しの場所のバランスは、都市生活のリアリティと新たな方向性を物語る。(黒石いずみ)【考現学マップ/京橋周辺】『考現学マップ』とは?日本橋・馬喰町エリアと八重洲・京橋エリア内で、考現学の視点により江戸から現代までの生活者の痕跡を読み込み、ストーリーを紡ぐプロジェクト。考現学は「考古学」に対し、現在の人々の生活文化を調査・研究する学問で、建築学・民俗学研究者の今和次郎(1888–1973)により提唱されました。現代人の暮らしの観察、筆記、撮影等により対象を調査・分析する考現学は、後の生活学、風俗学、社会学の発展にも貢献。さらに美術家の赤瀬川原平や建築史家の藤森照信らによる「路上観察学会」の活動にも影響を与えました。今回は考現学研究の第一人者、黒石いずみ氏(福島学院大学教授)を中心に地域の人々と共に作成した考現学マップを制作。まちのディテール、人の動きを観察することにより、新たなレイヤーが浮かび上がります。

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ考現学マップ《すずらん通りのサラリーマン御用達のカフェや定食屋は、金魚と軒先の緑が目印》すずらん通りのサラリーマンの生活は、中華チェーン店以外にも古びた日除や装飾のある喫茶店、昔懐かしい漢字のお品書きの和食屋、プラスチックの食モデルの定食屋で支えられている。それらの店は積極的に歓迎している素振りはないが、店頭には植栽が飾られ、金魚が泳ぎ、古びたドアが少し開いている。休憩時間の限られた時間にサラリーマンたちは道に溢れ一気に店の中に吸い込まれ英気を養う。決して機械的な大量生産食ではない。この高度なコミュニケーションを成り立たせるものもアートかもしれない。(黒石いずみ)『考現学マップ』とは?日本橋・馬喰町エリアと八重洲・京橋エリア内で、考現学の視点により江戸から現代までの生活者の痕跡を読み込み、ストーリーを紡ぐプロジェクト。考現学は「考古学」に対し、現在の人々の生活文化を調査・研究する学問で、建築学・民俗学研究者の今和次郎(1888–1973)により提唱されました。現代人の暮らしの観察、筆記、撮影等により対象を調査・分析する考現学は、後の生活学、風俗学、社会学の発展にも貢献。さらに美術家の赤瀬川原平や建築史家の藤森照信らによる「路上観察学会」の活動にも影響を与えました。今回は考現学研究の第一人者、黒石いずみ氏(福島学院大学教授)を中心に地域の人々と共に作成した考現学マップを制作。まちのディテール、人の動きを観察することにより、新たなレイヤーが浮かび上がります。【考現学マップ/京橋周辺】

東京ビエンナーレ東京ビエンナーレ考現学マップ《日本橋の住人ーたぬき・鳩・檻の中のサラリーマン》日本橋から銀座に続くピカピカの表通りには観光客や買い物客、サラリーマンが歩く。しかし裏道に入ると通行人は減り、碁盤目状の街並みに車が流れる。そんな街の目立たないコーナーの柵に囲われた場所には喫煙をするサラリーマンが囚われている。しかし道端の水たまりには堂々と水浴びをする鳩のカップルがいて、ビルの2階のテラスには空を見上げるたぬき像がいる。ツボのなかの金魚同様に、街は人だけのものではないことをしみじみとかんじる。(黒石いずみ)『考現学マップ』とは?日本橋・馬喰町エリアと八重洲・京橋エリア内で、考現学の視点により江戸から現代までの生活者の痕跡を読み込み、ストーリーを紡ぐプロジェクト。考現学は「考古学」に対し、現在の人々の生活文化を調査・研究する学問で、建築学・民俗学研究者の今和次郎(1888–1973)により提唱されました。現代人の暮らしの観察、筆記、撮影等により対象を調査・分析する考現学は、後の生活学、風俗学、社会学の発展にも貢献。さらに美術家の赤瀬川原平や建築史家の藤森照信らによる「路上観察学会」の活動にも影響を与えました。今回は考現学研究の第一人者、黒石いずみ氏(福島学院大学教授)を中心に地域の人々と共に作成した考現学マップを制作。まちのディテール、人の動きを観察することにより、新たなレイヤーが浮かび上がります。【考現学マップ/京橋周辺】
日本橋・馬喰町エリア 詳細マップ
日本橋・馬喰町エリア 詳細マップ
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日本橋・馬喰町エリアNihonbashi/Bakurocho Area 詳細マップを見る 日本橋は、江戸幕府のお膝元として発展した商業と文化のまち。昔ながらの風情を残す老舗と新しい施設が混在した、彩り豊かな風景が特徴です。東京ビエンナーレ2025 では、このまちを歩き回り、点在するアートをたどる「スキマプロジェクト/日本橋室町・本町」が行われます。アーティスト8 組による、路地の鉢植えに擬態するような作品との出会いは、まちの余白と潜在的な創造性を再発見することになるでしょう。馬喰町は、歴史ある問屋街の営みと、アートやデザイン領域の新たな動きが共存するエリアです。東京ビエンナーレでは老舗問屋のエトワール海渡リビング館を拠点展示会場とし、アート作品やプロジェクト情報などを展示します。
八重洲・京橋エリア 詳細マップ
八重洲・京橋エリア 詳細マップ
八重洲・京橋エリア 詳細マップ

八重洲・京橋エリアNihonbashi/Bakurocho Area 詳細マップを見る 東京の玄関口として多様な人々が行き交う東京駅。同駅の八重洲口/北口(大丸東京店 入り口前)には、与那覇俊によるダイナミックかつ緻密な絵画作品が出現します。ビジネス街として知られる一方で、骨董街・美術街としての顔ももつ京橋では、サウンドアーティストの鈴木昭男が代表的プロジェクト「点 音(おとだて)」をアーティゾン美術館近辺で実施*。茶の湯の「野点(のだて)」のように、屋外で耳を澄まして感覚を開くポイントを選出します。*鈴木昭男の「点 音(おとだて)」は他エリアでも展開予定。
